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 B型、C型肝炎ウイルスによる肝がんや重度肝硬変患者に対する医療費の助成制度があるが、利用実績は極めて低い。患者会などによると、対象者は月約7千人が見込まれていたが、実際の助成は月平均60人程度しかなく、兵庫県内でも助成に必要な「参加証」が発行されたのは、わずか17人(2019年8月時点)にとどまっている。患者団体は抜本的な制度改定を求めている。

 肝がんや重度肝硬変は、長期的な治療が必要になるケースが多いため、都道府県が事業主体となり、患者の医療費負担軽減と臨床データを収集する事業が18年12月から始まった。

 助成を受けるための要件は、世帯年収が約370万円以下▽直近12カ月以内に肝がん・重度肝硬変による入院医療費が高額療養費限度額に達した月が4カ月以上▽研究班への臨床情報提供に同意-などがある。入院4カ月目から高額療養費限度額に達した月は、自己負担が1万円ですむ。

 ところが、利用者は極めて低調。厚生労働省の資料によると、18年12月~19年8月の助成は全国で1カ月当たり23~64人で、同省見込みの1%未満という。19年8月時点で、助成に必要な参加証が発行されたのは兵庫県で17人だったが、それでも全国的に見れば多い方だった。

 患者団体「肝炎友の会兵庫支部」によると、所得要件が厳しい上、直近12カ月以内に3カ月の入院という患者は限られ、「症状が深刻すぎて助成どころではない」という。

 国は今春にも制度を見直す方針。患者団体に対し、分子標的薬を用いた通院治療を対象とし、「入院4カ月以上」から「入院または通院で3カ月以上」に変更する考えを示している。県疾病対策課の担当者は「見直しが決まればしっかり周知していきたい」とする。

 肝炎友の会兵庫支部の山本宗男会長は「制度の見直しで一歩前進するが、まだまだ不十分。助成の利用状況を見ながら国に更なる改正を求めたい」と話していた。(中部 剛)

     ◇     ◇

■治療長期化、重い費用負担

 兵庫県内で肝がん・重度肝硬変治療の現行の助成制度を利用している人はほとんどいない。患者らに現状を聞いた。

 82歳の男性はこの18年で8回入院し手術した。平均すると2~3年に1回の手術だが、現行の助成制度はあてはまらない。男性は「肝がんは再発を繰り返す。1回でも入院、手術をすれば補助が受けられるようにしてほしい。あまり利用されない制度をつくってどんな意味があるのか」と疑問を投げ掛ける。

 また、78歳の男性は肝炎から肝硬変、肝がんと進行。この10年で6回の肝がん手術を受けた。後期高齢者医療で1割の負担。さらに高額療養費の対象にもなるが、入院すると1日1万円ほどの負担になるという。男性は「年金生活者にとっては苦しい」と話した。

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