市内の商業地で上昇率トップだったトアロード=神戸市中央区北長狭通3
市内の商業地で上昇率トップだったトアロード=神戸市中央区北長狭通3

 26日に発表された公示地価で、神戸市内の平均価格は住宅地、商業地ともに全区で前年比プラスになった。商業地では新型コロナウイルス禍で負った痛手からの回復が顕著になり、最大の繁華街を抱える中央区をはじめ上昇幅が拡大した。住宅地でも、人気が続く灘、中央、東灘区を中心に値上がりし、前年はマイナスだった長田区も平均でプラスに転じた。(岩崎昂志)

 商業地のうちトアロードに位置する中央区北長狭通3は上昇率8・5%と市内最高、県内でも3位に入った。中央区は新型コロナの影響で2021、22年に大きく下落したが、昨年5月の5類移行を受けて観光や買い物の人出が増え、復調したとみられる。

 トアロード中央商店街振興組合の清水俊博理事長(73)は「コロナの影響が落ち着き、トアロードでも中国などアジア系の訪日客が増えている」とみる。一方で、「コロナ禍を経て通販が伸び店舗での買い物が減るなど社会の変化があった。店舗経営としてはまだ厳しい状況だ」と話した。