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学校再開後、分散登校で間隔を空けて少人数で行われる授業=神戸市内
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学校再開後、分散登校で間隔を空けて少人数で行われる授業=神戸市内

 新型コロナウイルスの感染拡大による休校が1日に明け、兵庫県内などの大半の学校が「3密」防止策で分散登校を続けている。1学級を半分などに分けて授業を行ういわば期間限定の少人数学級。学校が完全再開するまでのやむを得ない移行措置だが、実践する教員らは「子どもたち一人一人の顔が見える」と歓迎する。15日から通常授業に戻す学校も多い中、専門家は「今こそ少人数学級の教育的効果や、学習指導要領にとらわれない子どもとの向き合い方を考えるべきだ」と指摘する。(広畑千春)

■もめ事少ない

 全国各地で登校日や分散登校が始まった5月末、会員制交流サイト(SNS)で「これが教育だと思った。幸せな気分」という教員の投稿が話題を集めた。

 呼応した関東地方の公立小教諭は「30人学級なので15人ずつ。圧倒的に子ども一人一人に目が届き、関わることができた。子どもたちも一人一人発言したり、考えたりする機会や時間が今までよりも増えた」。

 兵庫県内の公立小教諭も「休校中、課題を出したが、かなり差が生じているのを痛感した。少人数ならフォローしやすい。学級活動のスケール感には欠けるものの、学習面ではこれぐらいの人数の方が学力が上がり、子ども同士のもめ事も少ない」と同調した。

■学級運営に労力

 そんな思いが湧くのはなぜなのか。

 公立小中学校は、1学級40人(小学1年は35人)までと規定されている。兵庫県は、2008年度から35人学級を小学4年生まで拡大。5、6年生にも中学、高校のような教科担任制を導入している。

 それでも、ある小学校教諭は「公平でいるつもりでも、勉強が苦手な子や発言力がある子に注意が偏りがち」と本音を口にする。「子ども同士で小さなトラブルがあっても見切り発車しないと、次、その次の時間まで影響し、授業が進まない」といい、「いつの間にか仕方ないと思うようになった」とうつむく。

 特に大半の授業を担任が見る小学校では「学級運営が労力の8割を占める」と話す教員も。クラスが荒れれば保護者に「頼りない」と見なされるため「特に1学期は“勝負”の時期。自分でも理不尽だな、と感じる指導をせざるを得なかったことも」と打ち明ける。

 また、一つの学級が破綻すれば学年全体にまで影響するため、教員同士の指導も力が入りがちに。時に後輩を厳しく叱ることもあるが「これもパワハラかも…と思うと、結局個人で頑張るしかない」とこぼす。

■向き合える環境を

 神戸市などで15日から、通常授業が再開される。社会的距離を保ちながら遅れた授業をどう挽回するか。長い休校中に広がった格差をどう埋めるのか。教師たちは頭を悩ませる。

 京都精華大学の住友剛教授(教育学)は「教科書や学習指導要領の内容を学年末までに終え、テストで学力測定-という従来の学習観や教育観にとらわれるから、それを一気に解決できるかのような『9月入学』などのファンタジーが生まれる」とし、「脱すべきはそうした価値観。まずは子どもが『やりたい』と思う気持ちに教員が精いっぱい向き合える環境を整えるべきだ」と強調した。

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