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 学校や学童保育で新型コロナウイルスの感染判明が相次ぐ中、周囲の人らの感染について調べるPCR検査の対応にばらつきが生じている。国の明確な基準がないため、陽性となった教諭の授業を受けている生徒でも検査の対象になったり外れたりする上、線引きの理由も分かりにくい。一方、学校が対象拡大を求めても保健所は「簡単にできない」と慎重で、保護者の不安を招いている。(斉藤絵美、太中麻美)

 神戸市立垂水中学校では4日に男性教諭の感染を確認。市は「教諭は校内でマスクをしていた」として濃厚接触者はいないと判断し、教諭の担任生徒と教職員79人に限定してPCR検査をした。

 子どもが別の学年の母親(55)は検査を希望したが対象から外れ、娘は不安で学校を休んだ。母親は「感染が広がるのでは」と不安を口にした。

 その後、教諭の授業を受けていた別のクラスの女子生徒の感染が11日に判明。このため、女子生徒と同じクラスの生徒らにも検査対象を拡大したところ、15日に新たに別の女子生徒の感染が分かった。

 市は結局、検査対象を女子生徒2人と同じ学年全員と他学年を含む同じ部活の生徒に拡大。息子が後から対象になった男性会社員(41)は「最初から学年全員にすれば2人目の生徒の感染を防げたのでは。対応が後手後手だ」と憤った。男性は息子の陰性が分かるまでの7日間、自宅勤務を続けた。

 11日に教員の陽性が判明した神戸市内の私立高校は、検査対象を巡って市や保健所と交渉を続けた。

 同校は感染した教員の授業を受けている生徒と全教員の計180人の検査を要望。だが「必要なのは濃厚接触者の教諭4人」と告げられ、「保護者や生徒の不安は大きい」と再度、求めた。同日夜、同じ職員室を使う教諭56人の検査は認められたが、生徒は実現しなかった。同校の関係者は「なぜ生徒の検査は必要ないとされたのか。垂水中との違いも分からず、納得いかない」と訴える。

 神戸市健康局は検査対象について「原則、マスクを外して1メートル以内で15分接触した濃厚接触者に限る」と説明。ただ、今回は学校や医療現場など集団感染になりかねないケースと判断し、対象を広げたという。

 一方、西宮市立安井小学校敷地内の学童保育では、指導員2人の感染が判明。同市は、2人が接しない児童も含め全利用者ら170人を検査した。同市は「保護者や周辺の人に安心してもらうため」とする。

 神戸市の担当者は「検査を行う余力はある。対象は保健所が決めるが、不安解消につながる方法を考えたい」としている。

■文科省、明確基準示さず

 PCR検査は保健所が主体になって対象を決めている。国の基準は濃厚接触者のみだが、国は感染拡大第1波の経験を踏まえてPCR検査数の拡大を推進しており、検査対象の線引きは曖昧だ。文部科学省も、学校で感染が判明した際の検査対象について明確な基準を示していない。

 兵庫県感染症対策課などによると、学校などクラスター(感染者集団)が発生する可能性がある場合は濃厚接触者に加え、同級生や同じ部活の生徒などを幅広く対象にするという。

 神戸市は保護者の不安を踏まえ、給食などでマスクを外して一緒に過ごしたケースなども新たに検査対象に加えた。

 行政側からは「PCR検査は一定の割合で誤判定もある。やみくもに増やせばいいわけではない」との意見も。学校からは「国は指針ぐらいは示してほしい」との声が上がっている。

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