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「トライやる」の一環で、手縫いのマスクを作る中学生=神戸市灘区烏帽子町1、烏帽子中学校(撮影・辰巳直之)
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「トライやる」の一環で、手縫いのマスクを作る中学生=神戸市灘区烏帽子町1、烏帽子中学校(撮影・辰巳直之)

 街角の店に「実施中」と書かれたのぼりが立つと、多くの人が「今年もその季節か」と感じるほど、中学生の「トライやる・ウィーク」の職場体験は地域になじんでいる。ところが本年度は、新型コロナウイルスの影響で実施状況が大きく様変わりした。兵庫県発の全国的な取り組みだけに、県教育委員会は「1日だけでも実施を」と呼び掛けるが、職場体験の受け入れ先は減らさざるを得ず、活動内容を1日限りの清掃やマスク作りなどに変える学校も目立つ。(鈴木久仁子)

 トライやるは、1995年の阪神・淡路大震災や97年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件を背景に、「心の教育の充実」を目指して98年度にスタートした。「地域と一緒に社会活動をする」という趣旨で、例年6月と11月ごろをピークに実施。大半の学校が中学2年生を対象に、企業や店舗などでの職場体験を行っている。

 「どないしよか」。今年5月、県教委から「1日単位でも実施を」との通知を受け、同市立烏帽子(えぼし)中学校(同市灘区烏帽子町1)の平田修也校長は頭を抱えた。

 同校では例年、2年生による5日間のトライやるを、校区内の幼稚園や福祉施設、スーパーなど52カ所に受け入れてもらっていた。しかし本年度は新型コロナで、「お願いするのははばかられる」状況に。検討を重ねた結果、職業体験は取りやめ、「日頃の恩返し」として、手作りのマスクとマスクケースを52カ所に届ける活動に変えたという。

 9月上旬、同校の2年生は裁縫道具を並べ、慣れない手つきで布を縫い合わせてマスクを作った。女子生徒(13)は「変更は仕方がない。マスクを喜んでもらえたらうれしい」と話した。

 県教委の村田かおり義務教育課長は、トライやるの意義を「社会の厳しさや働くことの大切さ、感謝の気持ちを自然に学べる」と説明。「兵庫型体験教育の大切な柱。職場体験にこだわってはおらず、1日でも仕方がない。必ず実施してほしい」と力を込める。

 神戸新聞社の取材では、県内で中止を決めた市町はなく、多くは期間を1~3日に縮小している。内容は職業体験のほか、マスク作りや清掃ボランティア、地域行事への参加などさまざまだ。

 一方、新型コロナの収束はまだ先が見えない。ある中学の校長は「職場体験だと、各事業所にお願いに出向き、生徒の希望を募り、行き先を振り分けるなど1年がかりで準備する。来年はどうなるのだろうか」とこぼす。来年度に向けた、現場の懸念は尽きない。

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