15年前、神戸市立小学校で当時5年の男子児童が同級生から日常的に暴力を受け、現金を取られた問題で、神戸市教育委員会は18日、第三者による調査委員会を設置した。これまでいじめと認定してこなかった市教委や学校の対応について、当時の関係者からの聞き取りなどで検証する。
調査委は学識者や弁護士計4人で構成し、18日の初会合で日本体育大学の南部さおり教授を委員長に選んだ。これまでの裁判資料を基に、文部科学省の当時の定義でいじめに該当するかどうかについても調べ、検証結果や再発防止策を報告書にまとめて市教委に提出する。
被害男性は現在26歳。父親によると、2005、06年、複数の同級生から日常的な暴力を受け、7人に約50万円を取られるなどして転校を余儀なくされた。07年、同級生3人の保護者に対し損害賠償を求めて提訴し、一、二審ともいじめ行為が認定された。一方、市教委はこれまで、被害男性本人から十分な聞き取りができていないことを理由に、いじめと認定してこなかった。
市教委によると、10年以上も前の事案でいじめ判断を巡る調査委を設置するのは異例。調査委は年内に男性の保護者と面談し、来年1月に第2回の会合を開く予定。(長谷部崇)
