老朽化したごみ処理施設の更新に、各市町村が巨額な負担を強いられる中、兵庫県相生市では、行政の支出を最低限に抑える公民連携のごみ処理事業計画が進んでいる。協定を交わした企業が施設を建設、運営し、市はごみの量に応じた料金を支払うだけ。本来、施設の建設に100億円近く、運営に年間数億円の経費がかかる事業だが、毎年実質2億円程度の負担で済むという。いったい、どういう仕組みなのか。(森本尚樹)

■破格の条件
かつて、ごみ処理施設は市町村が建設し、直営してきた。近年は民間に運営を委託する手法や、施設の設計、建設、運営を一括で発注する手法が増えているが、高額の委託料を支払う必要がある。
一方、相生市は2025年3月、特別目的会社(SPC)が建設する処理施設に、市内から出るごみ(一般廃棄物)を受け入れてもらう協定を結んだ。SPCは廃棄物処理大手の大栄環境(本部・神戸市東灘区)とプラント建設の三菱重工環境・化学エンジニアリング(横浜市)が共同出資する。
相生市は用地を有償で貸し、地元への説明や合意形成などを担うが、施設の設計、建設、運営はSPCが行い、費用も自力でまかなう。施設が稼働を終えた後は、SPCが解体・撤去する。
市はSPCに支払う年間の処理委託料を2億8千万円と試算する。だが、SPCから固定資産税や用地の賃借料、環境負担金など年間約1億円の収入があるため、実質的には2億円弱の支出で済む計算だ。
この破格とも言える条件で、SPCが相生市のごみ処理を担えるのはなぜか。実は、SPCにはもう一つの事業軸がある。兵庫県内の産業廃棄物も受け入れることで、施設を最大限活用できるためだ。

■発想の転換
























