兵庫県知事選が最終盤に入った。4候補の陣営幹部に、これまでの手応えや今後、有権者に何を訴えていくかなどを聞いた。
■津川知久候補 「政権べったり県政」打破/選対 東郷泰三事務所長(県民主医療機関連合会事務局長)
-現県政をどう見る
「行財政改革で子どもや高齢者の医療費助成、私学助成などの教育費を削減してきた。住民の生活を厳しくし、福祉の増進を図るという自治体の役割とは逆行している。病院の病床数も減らされ、地域の不安感は拡大。大企業には青天井の補助金を出しているが、後継者不足が課題の農林水産業の振興をもっと重視すべきだ」
-主に何を訴えてきたか
「地域で暮らし続けることができるようにするため、高校卒業までの医療費無料化、最低賃金1500円などを訴えてきた。医療費は中学生まで無料化していない地域もあるが、兵庫県の負担割合を増やせば可能だ。高速道路網整備などの大型開発を見直し、地元が潤う公共事業を進めることが必要だ」
-手応えは
「早く活動を開始し、母親や若年層、市町長らとの懇談で、地域の実情を把握してきた。ただ、投票率が上がらないと当選ラインには届かない。多くの県民に働き掛けるため、有権者との対話を重視した。『共謀罪』(の趣旨を盛り込んだ法案)可決で国民の中に平和に対する問題意識が大きくなった。法定チラシを見て『政策を聞きたい』という問い合わせも出てきた」
-最終盤はどこに力を入れる
「人口が多い地域が中心になる。応援弁士を含め憲法改正に強く反対していることなど、他陣営とは異なる部分を押し出していく。第一声で駆け付けた神戸女学院大名誉教授の思想家内田樹さんを通じ、全国の学者や弁護士から応援が寄せられていることもアピールし、『安倍政権べったりの県政』ではいけないと訴えていく」(聞き手・若林幹夫)