兵庫県警西宮署=西宮市津田町
兵庫県警西宮署=西宮市津田町

 兵庫県警は23日、西宮署が証拠品として保管していた覚醒剤0・05グラムを紛失したと発表した。誤廃棄の可能性が高いとしている。

 県警刑事企画課によると、覚醒剤は昨年5月、西宮市内で職務質問から逃げた男(43)が乗っていた車の中にあった吸煙用ガラスパイプに付着していた。

 県警本部の科学捜査研究所で鑑定されたパイプと覚醒剤は、別々の小袋に入れ、1枚の証拠品袋にまとめた上で翌6月に署へ返却された。署は鍵のかかる保管庫に収納していた。

 同署は今年8月、車を置いて逃げていた男を覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕。10月2日、証拠品を神戸地検尼崎支部へ送る際に、覚醒剤の小袋がないことが発覚した。

 男は起訴され、同支部は「立証上の問題はないと考えている」としている。同課の樋本泰英管理官兼次席は「証拠品の厳格な取り扱いについて指導を徹底する」とコメントした。