石井一男さん
石井一男さん

 女神や菩薩を思わせる神秘的な女性像で知られる洋画家石井一男(いしい・かずお)さんが3月18日午後、心不全のため神戸市の病院で死去した。82歳。神戸市出身。自宅は神戸市兵庫区。葬儀は既に行った。11月に追悼展がギャラリー島田(神戸市中央区)である。

 関西大法学部第2部卒。絵はほぼ独学で、49歳まで無名だったが、1992年、画廊主の島田誠さん(2025年12月に死去)との出会いが転機となった。神戸・元町の海文堂ギャラリー(現ギャラリー島田)で初個展が催され、美術愛好家らに知られる存在に。ガッシュ(不透明水彩)やアクリル絵の具で凹凸を表現し、慈愛に満ちた女性像や花を繰り返し描き続けた。

 09年、作家後藤正治さんが、石井さんの暮らしやその絵を愛する人々についてノンフィクション「奇蹟の画家」にまとめ出版。テレビ番組「情熱大陸」にも出演し、全国的な脚光を浴びた。

 内気で無口、有名になってからも「描くこと」をよりどころに、つましい生活を貫いた。画集「絵の家」などを刊行。各地で作品展が開かれ、18年には神戸市文化賞を受けた。