黒豆を使ったクラフトビールと、山の芋チップス
黒豆を使ったクラフトビールと、山の芋チップス

 小さな旅をすれば、土地の味をひと口連れて帰りたくなる。散策のついでに買えば、晩酌や団らんが、いつもより少し特別な時間になる。羽を伸ばしたい大人にふさわしい「相棒たち」が丹波路で待っている。

 まず立ち寄りたいのが、江戸時代から続く老舗・小田垣商店本店(丹波篠山市立町)。昨夏登場した「山の芋チップス」は、地元産の山の芋を皮ごと厚めにスライスして揚げた新顔だ。ひと口目はパリリ。ところが、かむほどに、もちっと粘りが顔を出す。濃密なうま味と土の香りが、大地の力強さを感じさせる。チップスなのに、料理のような満足感が得られる一皿だ。

 この骨太さに正面から応えてくれるのが、宿場町・福住の丹波篠山ジグザグブルワリーが手がけるクラフトビール「黒豆インペリアルIPA」。焙煎した丹波篠山産黒豆の香ばしさに、ホップの華やかな芳香が重なる。口に含むと、モルトの甘みとしっかりした苦味、重厚なボディ。黒豆のコクが余韻に残り、高めのアルコール度数も相まって飲みごたえに満たされる。

 お勧めは、まずチップスを単体で数枚。次にビールを味わい、もう一枚-。芋のうま味を、IPAの苦味と黒豆のコクが引き締め、芋の香りと豆の焙煎香が出合った瞬間、丹波の風土が舌の上でほどけていく。もちろん飲む日は運転しないのが大前提。家や宿などで、この地の滋味に浸りたい。(秋山亮太)

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 新緑に包まれる大型連休。丹波地域の名品の掛け合わせを、近隣のお出かけスポットとともに紹介します。

【メモ】

■山の芋チップス

 小田垣商店本店で販売。豆菓子や黒豆茶、ぜんざいといった丹波ならではの逸品がそろう。

■黒豆インペリアルIPA

 丹波篠山市遠方(おちかた)の「湯あみ里山公園ぷかぷかコミューン」で販売。ほかに限定商品などもある。

【お出かけ情報】

 丹波篠山市西古佐の「丹波並木道中央公園」は、里山の風景をそのまま生かした広大な公園。かやぶき民家や動く恐竜模型などが点在し、おひとり様も家族連れも、のんびり過ごすのにぴったりだ。自分が運転しない日なら、のどかな景色を眺めながら、持参した一杯をゆっくり楽しむのも連休ならではのぜいたく。吹き抜ける風とともに、丹波地域の魅力を五感で味わってほしい。