エッセー・評論

遠慮深いうたた寝

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一歩ずつ、大人へ(撮影・大山伸一郎)

一歩ずつ、大人へ(撮影・大山伸一郎)

 バレエダンサーを目指し、衰退する故郷の炭鉱町から旅立ってゆく少年を描いたミュージカル『ビリー・エリオット』。主役の男の子は、1年以上にわたるオーディションで選ばれたらしいのだが、応募条件の中にある、声変わりをしていないこと、という項目が印象的だった。舞台を観(み)て、なるほど、いくらダンスが上手(うま)くても、外見が少年でも、声変わりをしていたらこの役は無理だろう、と納得できた。

 18歳になったら読むようにと言い残して死んだママからの手紙を、待ちきれずに開封し、一字一句覚えているビリーが、大人の声でそれを暗唱してしまったら、すべてが台無しだ。父親とのすれ違いや、未来を閉ざされる絶望や、母の愛を求める叫びや、もろもろすべてを、ただ踊ることだけでしか表現できないビリーには、やはり痛々しいほどに未熟な声が似合う。

2017/10/7

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