世の中には多くのセクシービデオが存在しますが、これらはすべてお手軽簡単に作られているわけではありません。まずは専門の協会(IPPA)へ加盟する映像メーカーが制作し、審査を経て販売されています。この工程で制作されたビデオを「適正ビデオ」と呼ぶ一方、反対に協会へ加盟せず、審査もされていない個人制作ビデオも存在します。それがいわゆる「同人ビデオ」なのです。
昨今ではネット通販が浸透したことから、この同人ビデオが流行しています。そのため、適正ビデオと変わらないくらい同人ビデオへの出演者がいるのも事実。演者の中には女優ではない女性がいるのも特徴で、キャバクラや風俗で働くナイトワーカーから一般企業で働く人までも存在するようです。
この弊害として、即金につられて撮影を承諾し、月日が経過してから後悔をする人が続出しています。身バレの心配も大きく、販売されてから不安を覚える女性たちも少なくありません。
■同人ビデオへの出演がなぜバレるのか?
一時期は「作品数が多いからバレづらい」という理由で、同人ビデオへの出演を促すスカウトマンが絶えませんでした。しかし実際のところ、身バレ率は適正ビデオと同じ。人気作品ほど人目に触れる機会が増えますから、表に出た時点で危険度は変わらないのです。
無断転載も適正ビデオと同様に横行されているため、切り抜き動画がX(旧Twitter)で流されるのもよくある話。動画は加工できず、特徴的な顔だと身バレしてしまう恐れは大いにあります。
筆者が取材をしたアスナさん(仮名)は日頃ガールズバーで働いており、約5年前に個人運営サイトの同人作品へ出演しました(以下『』内、アスナさん談)。
『出た時は何も考えてなかったけど、後になってから不安になりました。よくSNSで同人作品に出た子が数年後にバレるみたいなのを目にして、“明日は我が身”だなって……。
知り合いが同人ビデオに出てたのが実際にバレて、私も怖くなって削除をお願いしたいんです。けれど当時使ってたスカウトマンのLINEが消えてどこにも連絡できない状態になっちゃって…。自分が出てる作品のタイトルとかも覚えてないので、八方塞がりです』
アスナさんは当時、深く考えずスカウトからの案件を受けましたが、数年越しに知人の身バレを知って戦慄しています。また撮影する際にも、契約書などはなく「削除申請に応じてもらえるかもわからない」と悲痛な叫びをあげました。
■金額に見合わない代償……削除後の不安も
また同人ビデオだから撮影の簡単というわけではありません。拘束時間は短くて4~6時間以下ですが、ギャラは安くて3万円くらいで、高くても10万以下なことが多いため、身バレのリスクを考慮すると金額が見合っていないように感じる人が多いようです。
先ほどのアスナさんは同じサイトの撮影現場に3回ほど入り、「最初出た時はすごい普通の作品で4万円もらいました。次に避妊具なしの作品だと4時間8万円もらえるとのことで、すぐお金がほしかったから仕事を受けたんです」と語っています。
撮影が終わってすぐに数万円のお金を手にできるとなると、彼女のように勢いで飛びつく人も多いでしょう。しかしネット上の無断転載は国内だけではなく海外など幅広く、作品をサイトから削除をしても過去に転載されたものを完全削除するのは至難の業。元セクシー女優である筆者も、適正ビデオ出演後に削除申請を申し出ましたが、転載分は今でもあちこちに残っている状態です。
この状態にアスナさんは「立派なデジタルタトゥーですよね……。コロナ禍で収入が減って、何も考えずに出ちゃったから本当に後悔しかない。彼氏にバレたらどうしようとか、ヒヤヒヤしながら過ごす毎日です」とため息交じりで言うのでした。
同人ビデオへの出演を考えている女性は、アスナさんのようなケースがあることを踏まえて慎重に考えることをおすすめします。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや) 元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター
2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。
























