新NISAをきっかけに投資を始めた人にとって、今年の日経平均の値動きは印象に残るものだったのではないでしょうか。1月5日におこなわれた新年最初の取引日の終値は5万1832円でしたが、6月中旬には7万2000円以上まで上昇したタイミングがあり、その上昇率は約40%です。
新NISAを始めたばかりのAさんとBさんは、同じタイミングで日経平均株価に連動する銘柄へ投資をスタートさせた友人同士です。ただ、Aさんは年始に240万円をまとめてNISAに投入し、Bさんは毎月20万円ずつ12回に分けて積み立てるという、別々の投資方法を選びました。
半年が過ぎ、日経平均が大きく上昇したというニュースを見たAさんは「分割せず、年始に全て投資して正解だった」と喜んでいます。一方のBさんは「積立の方がリスクが少ない。これが絶対正解だった」と考えているそうです。
実際のところ、どちらの投資方法がより多くの利益を得られるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの橋本ひとみさんに話を聞きました。
■上昇局面では一括投資が利益を伸ばしやすい
ー年始に240万円を一括投資した場合と、毎月20万円を積み立てた場合では、実際にどれくらい差が出ますか
2026年の値動きで考えてみましょう。1月5日の大発会に買い付けたと仮定すると、6月中旬の高値圏では約40%の上昇になり、利益は96万円程度あると考えられます。
一方のBさんは、1月から6月まで毎月月初に20万円ずつ買い付けた場合、平均取得単価は約5万7000円です。6月中旬の高値圏での利益率は約26%で、Aさんの約40%と比べると14ポイントほど低い結果となります。
Bさんはまだ積み立ての途中ではありますが、仮に投資額を240万円として計算すると、上昇率26%では約62万円となり、Aさんとの利益の差は約34万円です。
また、実際には同じ日経平均に連動する投資信託であっても、投資する銘柄によって信託報酬などの手数料が異なる場合があるため、上記の金額はあくまで参考程度にお考えください。
ー一般的に積立投資は「安全」と言われていますが、上昇局面ではその利点は発揮されにくいのでしょうか
積立投資の利点は、価格が高い時も安い時も一定額を買い続けることで、平均購入単価をならせる点にあります。下落局面では損失を抑えやすく、これが「安全」と言われる理由です。
ただし今回のように相場が右肩上がりで進んだ場合は、買うたびに価格が上がっていくため、最初にまとめて買えた一括投資より利益が伸びにくくなります。積立の「安全性」はあくまで下落や乱高下に強いという意味であり、上昇局面では一括投資に軍配が上がりやすいのです。
ーこれから新NISAを始める人は、一括と積立のどちらを選ぶべきでしょうか。何を基準に判断すればよいですか
相場の先行きは誰にも分かりません。これから上昇が続くと考えるなら一括投資が有利になりやすく、下落や調整を警戒するなら積立投資でリスクを抑えるべきでしょう。まとまった資金をすぐに用意できるかどうかも判断材料のひとつです。
また、一括投資は短期間で評価額が大きく動くため、値下がりした時に動揺しないでいられるかという自分の性格との相性も考えておきたいところです。
AさんとBさんの差は今のところ一括投資が上回っていますが、Bさんの積立はまだ途中です。残り半年の値動き次第で、最終的な結果は変わる可能性もあります。
◆橋本ひとみ(はしもと・ひとみ) 元銀行員/ファイナンシャルプランナー
銀行勤務12年を経て、現在は複数企業の経理代行をおこなう。法人営業や富裕層向け資産運用コンサルティングの経験に加え、自身も投資歴18年で国内株・米国株あわせて100銘柄ほどを保有する。ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士の資格を持つ。
(まいどなニュース特約・八幡 康二)
























