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神戸市中央区と灘区にまたがる東部新都心(HAT神戸)と、西宮市の西宮浜、芦屋市の南芦屋浜で二十八日、一斉にまちびらきの記念式典が行われた。東部新都心は神戸の震災復興の代表的なプロジェクトで、四月からは復興住宅への入居が始まる。WHO(世界保健機関)神戸センターもポートアイランドから拠点を移し、本格的な研究活動をスタートする。西宮浜、南芦屋浜は、震災後の大量住宅供給が進められており、入居が本格化する。
東部新都心は、全体約百二十ヘクタールのうち、阪神高速道路神戸線以南の臨海部を先行して整備。被災者向け公的住宅が約千三百戸建てられ、市立渚中学校、なぎさ小学校も四月に開校する。
さらに新都心は国際交流拠点を目指し、WHO神戸センターのほか、国際協力事業団の研修生受け入れ施設の誘致が決まり、兵庫留学生会館は建設が始まっている。
南芦屋浜と西宮浜は、いずれも震災後に利用計画を変更。阪神間の震災復興シンボルと位置づけ、復興住宅の供給を中心に整備が進められた。
午前十時、芦屋市の最南端に位置する南芦屋浜と、既存の芦屋浜を結ぶ歩行者・自転車用道路「あゆみ橋」でテープカットが行われた。入居者を代表してかぎを受け取った小林守さん(66)は「三年間、同じ仮設住宅で過ごした仲間も多い。入居者には高齢者が多いので、これからも助け合って新しい生活になじんでいきたい」と話していた。
同地区には、市内に建設された県営、市営復興住宅の約七割に当たる八百戸が集中。この日午後にはさっそく、県営住宅で入居が始まった。
西宮浜は「西宮マリナパークシティ」として、来年までに約三千五百戸、約一万人が暮らすまちになる。今春には四割が完成し、三月十日から入居が始まっている。
1998/3/28