連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷

 神戸空港の是非を問う住民投票条例案を審議している神戸市会の空港特別委員会(平野昌司委員長)は十七日午後八時半すぎ、条例案の採決を行った。共産、住民投票議員団の二会派が制定に賛成、公明、自民新こうべ21、民社市民連合、こうべ市民連合、自民新政会、自民みらいの六会派が反対し、人口百万人を超える大都市では初の住民投票条例制定の直接請求は、賛成少数で否決された。意見表明も省いた突然の採決に、委員会は一時騒然となった。傍聴していた住民投票の会のメンバーらは、一斉に反発し、「採決は無効」などと訴えた。条例案は十八日午後に予定される本会議で議決され、否決される見通し。

 空港特別委は、市長の総括質疑を行った後、午後七時四十五分に再開。この日中に採決するかについて、各会派が意見を述べた。与党は審議を尽くしたとして、同日中の各会派の意見表明と採決を要望。野党は疑問が解明されていないと、継続審議を求めた。

 平野委員長がこの日中に採決するかの決を採ろうとしたところ、傍聴していた議員や市民から「強行採決反対」「約束が違う」などの声が上がった。議員が委員席に詰め寄ろうとして、事務局員らに制止されるなど、委員会は騒然。平野委員長は「議事進行に責任が持てない」と条例案の採決に踏み切り、賛成四、反対十で否決された。委員会は陳情審査を残したまま休憩に入った。

 住民投票の会のメンバーは市役所二十七階の委員会室で、「強行採決」「審議をやり直すべき」と訴えた。野党議員は「採決の無効を申し入れる」としている。

 この日は午後から、笹山幸俊・神戸市長を呼んで総括質疑を行い、条例案に対する意見をあらためてただした。笹山市長は「意思形成過程を終え、制定は必要ない」との考えを重ねて表明した。

 「神戸空港・住民投票の会」(代表世話人、須田勇・元神戸大学長ら)では、署名を集めた受任者や市議の一部などから条例案否決後に市長リコール運動を展開する意見が出ている。

 しかし、会内部では、継続して新たな運動に取り組む点で一致しているものの、具体的な方針については固まっていない。十九日夜の代表世話人会などで協議を重ね、今後の方針の詰めを急ぐ。

 住民投票条例案は、同会が八月二十一日から一カ月間、署名を収集。三十万七千七百九十七人の有効署名を添えて十月三十日に直接請求した。

1998/11/18
 

天気(9月7日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 20%

  • 37℃
  • ---℃
  • 40%

  • 35℃
  • ---℃
  • 20%

  • 36℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ