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兵庫県南部地震で露出した兵庫県津名郡北淡町小倉の野島断層を保存する北淡町震災記念公園(フェニックスパーク)が二日、オープンした。メーン施設の野島断層保存館には、活断層が百四十メートルにわたって展示され、記念式典が行われた。
公園は、地表の野島断層の周囲約三ヘクタールを、県と町が約七十億円をかけて整備。一九九七年六月に起工し、断層保存館、レストラン・物産館が完成した。
保存館は、ずれた生け垣や、亀裂が走る道路など、活断層周辺の姿を当時のまま残した。活断層の一端には、深さ二・五メートルのトレンチを掘り、断面が一目で分かるようにした。
当初、開園までに五万人を目標としていた団体予約は、すでに九万人を突破している。
記念式典には関係者ら約百五十人が出席。貝原俊民知事は「記憶の風化を防ぎ、多くの人の心に触れる施設として機能することを祈ります」とあいさつ。小久保正雄町長は「北淡町の創造的復興と淡路島活性化の起爆剤にしたい」と述べた。
保存館は大人五百円など有料。レストラン「さくら」の営業は六日から。九九年春には、保存館に隣接した塀のずれた民家を整備し「メモリアルハウス」として一般公開。二〇〇〇年春には、地震を疑似体験できる「地震科学館」もオープンする。
1998/4/2