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 阪神・淡路大震災で親を亡くした子供らの支援拠点として、あしなが育英会(本部東京)が建設していた「レインボーハウス」が神戸市東灘区本庄町に完成し、九日、しゅん工式が開かれた。米国の同様の民間施設と協力関係を結ぶ文書にも調印。震災遺児の親子らも参加し、日本初となる遺児対象の心のケア施設の完成を祝った。

 ハウスは鉄筋五階建て、延べ約二千六百平方メートル。子供たちが思いきり暴れて気持ちを発散できる「火山の部屋」、演奏や創作活動を通して心を和らげる「音楽の部屋」や「アートの部屋」などからなる「癒(いや)しのゾーン」が中心。遺児家族が宿泊できる部屋も用意されている。災害や事故、病気などで親を亡くした大学生らを対象にした学生寮(定員四十八人)を併設。寮生は、ハウスに通う遺児の心のケアの担い手ともなる。ボランティアの交流、学習拠点となる研修室なども整備された。

 式には、笹山幸俊神戸市長、震災遺児親子ら約六十人が参加。震災で両親を失った小学五年の前田健太君、母親を失った高校一年生、内之宮園枝さんがあいさつし、前田君は「あしながの友だちに会うのは楽しい。大学生のお兄さん、お姉さんとキャッチボールをしたい」とレインボーハウスでの夢を語った。

 また、米国・オレゴン州にある家族を亡くした子供らの心のケア施設「ダギーセンター」のドナ・シャーマン所長が出席し、協力関係を結ぶ文書に調印した。同センターは、遺児ケアの取り組みが進む米国でも草分け的存在で、レインボーハウスは、プログラムづくりなどで”先輩”の取り組みを参考にする。レインボーハウスは、建設費約十五億円のうち約七千万円がまだ不足しており、募金活動を続けている。

1999/1/9
 

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