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 いかに志が高いとしても、世襲や禅譲なしに政治家への道を切り開くのはたやすいことではない。2代、3代と受け継がれてきた「地盤」「看板」「鞄(かばん)」の壁はとてつもなく高く、ぶ厚い。

 もし、これらと全く無縁な人が政治家になろうとすれば、「政治塾」は、有効な選択肢の一つになるかもしれない。

 政治塾とは、政党や議員、首長らが主宰して、有望な人材を発掘し、国政や地方選挙の候補者へと養成する私塾である。古くはパナソニック創業者の故松下幸之助氏が設立、首相をはじめ数多くの政治家を輩出した「松下政経塾」が有名だ。最近は何と言っても、小池百合子東京都知事が設立し、全国から約4800人の応募があった「希望の塾」に注目が集まる。

 小池氏が実質オーナーの地域政党「都民ファーストの会」はこの塾を運営する政治団体が母体だ。「古い都議会の刷新」「東京大改革」を掲げて臨んだ都議選では、推薦の無所属候補を含む55人が当選、第1党へと躍進した。塾開設時から都議選を照準に、新党を設立し、候補者選定を進めてきた小池氏。塾は都議会の掌握に、重要な役割を果たしたのではないか。

 兵庫県でも自民県連が「政治大学院」「次世代育成塾」を開き、人材の発掘に力を入れる。9月には、日本維新の会の県組織による「兵庫維新政治塾」が開講する。

 維新政治塾の定員は20人程度。「1年間通して人物をしっかり見て、政治家としての適性を判断する」(同党の地方議員)。当面は再来年の統一地方選に的を絞る。

 維新政治塾といえば、大阪市長だった橋下徹氏を中心とする大阪維新の会が、衆院選候補者の発掘を目的に2012年に開設。2千人以上が集まり脚光を浴びたが、後に議員となった元塾生が、不祥事で党を追われるなど負の面も目立った。

 世襲、官僚上がりといった「出自」にかかわらず、政治家の劣化は目を覆うばかりだ。人材の発掘と養成を掲げながら、モラルもスキルも一定のレベルに達していない者を世に送り出すとすれば、「粗製乱造」と言わざるを得ない。

 数合わせに走らず、じっくりと資質を見極め、育てる役割を政治塾に求めたい。

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