訪日外国人観光客(インバウンド)の増加が、とどまることを知らない勢いだ。2016年は約2404万人、17年も2869万人と、6年連続で前年を上回り、過去最多を更新した。
しかし、にぎわいを見せる関西空港の対岸・淡路で、その姿を見かけることは少ない。インバウンド誘致を目的に、17年7月には関空と洲本を結ぶ高速艇航路が10年ぶりに復活したが、11月までの利用者数は多い月でも約2500人にとどまる。年間目標の7万人達成はかなり厳しそうだ。
集客には何が必要なのか。
「まず観光地のPR」と強調するのは国土交通省近畿運輸局観光部の広瀬洋一・国際観光課長だ。
インバウンド隆盛の起源をたどれば、国が03年から本格展開した「ビジット・ジャパン・キャンペーン」に行き着く。02年、日本への海外旅行者は524万人だった。この頃、旅行客が使ったお金の国際収支は年間約3兆5千億円の赤字になっていた。そこで、海外からの旅行者を10年までに1千万人に倍増させる目標を掲げた。
広瀬課長は「力を入れたのは、海外の人たちに日本の魅力を知らせる活動だった」と話す。海外の旅行会社社員を日本に招き、旅行商品をつくってもらった。プロモーションを重ねた上で、ビザの発給要件を緩和し追い風にした。
淡路県民局の吉村文章局長も「個々のホテルの努力はあったが、組織的なPRはできていなかった」と魅力発信に本格的に取り組む構えだ。
同県民局や淡路島観光協会は近く、島の観光資源を海外に売り込むプロモーションに乗り出す。県民局は香港、シンガポールで、報道関係者向けにシラスやハモなどの試食会を開く。観光協会は台湾の旅行会社社員、記者ら16人を淡路に招き視察してもらう。その中には、ネット上で影響力のあるブロガーも含まれる。
「lonely planet(ロンリー・プラネット)」という英語の旅行ガイド本がある。日本編に登場する兵庫県の観光地は神戸、姫路、城崎温泉だけだ。まだまだ知られていない。
インバウンド誘致のプロモーションは、これまで国が主導し、東京や京都を巡る「ゴールデン・ルート」の外国人客を爆発的に増やした。今後は地方が自ら海外に向けて、積極的に発信することが重要になりそうだ。








