論ひょうご

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 週に1度くらい見かけるので、いまでは見慣れた感もある。だが、半年前の三田市に赴任直後、初めて目にした時には驚いた。

 車体二つを2両編成の列車のようにつなげた「連節バス」である。全長18メートル、定員約120人と通常のバスの1・5倍のスケール。オレンジ色の車体が存在感たっぷりに市内の幹線道路を走る。

 2013年の春、神姫バスが国や市の協力で、西日本で初めて路線バスに導入し、「オレンジアロー 連 SANDA」の愛称を付けた。当初は計2台、平日のみ4路線で発進したが、今春までに新路線で休日運行し、バスが4台に増え、8路線で活躍している。

 連節バスは一度に多くの人を運べることから、全国的に空港連絡や都市部の通勤・通学路線を中心に導入が進む。三田でもJR新三田駅や三田駅から、テクノパーク、関西学院大学神戸三田キャンパス、神戸三田プレミアム・アウトレット(神戸市北区)をそれぞれ結ぶ路線が中心で、大量の輸送力が求められるルートばかりだ。

 神姫バス三田営業所は「ラッシュ時にバス2台が必要なところを1台の運行でカバーし、輸送効率がアップする。最近の運転手確保の難しさから、要員面のメリットも大きい」と説明する。

 運行開始から2、3年くらいの間は「実際に市街地を走る様子を見たい」と問い合わせが相次ぎ、全国の自治体やバス会社の関係者が続々と視察に訪れたという。

 その後西日本では滋賀・草津、関西空港内、福岡市内などでも定期運行がスタート。神戸市は昨夏、三宮の駅前と神戸空港などを結ぶ2ルートで運行実験を行った。

 導入がまだ限られているのは、バス停のスペースを拡大したり、ルートごとに実験をして安全確認が必要だったりするためだ。いずれ多くの街で姿を見ることができるかもしれない。

 連節バスの特長を生かした新たな活用例も生まれている。

 大きな車体をラッピングする広告効果はその一つ。実際に三田市制60周年をアピールした。

 前後の車体を行き来でき、広いスペースの車内でイベントも開催できる。昨年のクリスマス時期の「サンタ×三田プロジェクト」では、走行するバス内でミニ演奏やゲームなどが子どもらに好評だった。今年も運行予定だ。

 三田のまちから、連節バスのさらなる発信に期待したい。

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