交通事故で亡くなった京都府の幼稚園児が育てていた花の種を介し、交通安全や事故根絶の誓いの輪を広げる「ひまわりの絆プロジェクト」に、兵庫県警明石署が2月から取り組む。同県明石市内の小学校や特別支援学校、自動車教習所に呼び掛けて種子を配布し、ヒマワリの大輪を咲かせてもらう活動。ともに手を携え、かけがえのない命を守ろうというメッセージを一粒の種に込める。(長沢伸一)
2011年に京都府で発生した交通事故で、4歳の男児が命を落とした。両親は子どもが生きた証しにと、この園児が育てていたヒマワリの種を京都府警に託し、交通事故のない社会への願いが全国各地で芽吹いている。
明石署は、新型コロナウイルスの影響で交通安全教室の開催などが困難な中、命の大切さを子どもに伝える機会にしたいと、19年から同プロジェクトに取り組む同県警篠山署に協力を依頼。同県丹波篠山市の多紀小学校の6年生が増やした約500粒の種を譲り受けた。
明石署に届いた種の入った袋には「気持ちをこめて種をうめよう」「ひまわりはみんなを笑顔にする」など同小児童のメッセージが記されている。明石署交通課の矢内秀宣警部補(57)は「大切に花を育てた子どもたちの思いを引き継ぎ、交通事故根絶の強い願いを明石に広げたい」と話している。
同署は種子の栽培を希望する学校などを募集している。2月26日締め切り。同署交通総務課TEL078・922・0110
