明石

  • 印刷
1937年作製の明石市中心部の地図。中央の丸印部分が現在の明石駅前交差点。東西の道路幅にずれがあることが確認できる(明石市提供)
拡大
1937年作製の明石市中心部の地図。中央の丸印部分が現在の明石駅前交差点。東西の道路幅にずれがあることが確認できる(明石市提供)

 改良工事が完了した明石駅(兵庫県明石市)南の国道2号。もともと交差点の東西で車線数が異なっていたのはなぜなのか-。調べてみると、明石城が大きく関係していることが分かった。

 「国道2号は山陽電鉄の軌道跡にできたんです」

 1937(昭和12)年に作製された地図を示しながら、市文化振興課の稲原昭嘉・文化財担当課長が教えてくれた。

 稲原課長によると、山陽電鉄の前身、兵庫電気軌道が17(大正6)年に神戸から兵庫県明石市まで開通。軌道は現在の国道2号を通り、魚の棚商店街(同市本町1)の西から斜めに南下した辺りに明石駅があったという。

 「その軌道は明石城の外堀の中、つまり武家屋敷が立ち並んでいた区域を横切っていた」とは市史編さん室の宮本博さん(67)。そのため「屋敷と屋敷の空間を縫うように軌道が敷かれており、東西がきれいな直線にはならない」と説明する。

 剣豪宮本武蔵が城下の町割り(都市計画)を担った-。この説はさて置き、城下町は敵襲に備えて道路が一直線にならないよう、区画と区画をずらして配置している。そのため、屋敷間の空間にもずれが生じるというわけだ。

 もともと国道2号は、明石城築城時にできた町の形に合わせた「ずれ」やカーブが多く、今回のように改良工事を重ねて現在の直線道路になったという。通行には便利になる一方で、かつての城下町の姿がまた一つ、失われていく。(小西隆久)

明石
明石の最新
もっと見る
 

天気(9月10日)

  • 32℃
  • 27℃
  • 50%

  • 31℃
  • 24℃
  • 60%

  • 35℃
  • 28℃
  • 50%

  • 35℃
  • 26℃
  • 50%

お知らせ