明石

  • 印刷
インタビューに応じるあかし保健所の浜田昌範所長=明石市大久保町ゆりのき通1
拡大
インタビューに応じるあかし保健所の浜田昌範所長=明石市大久保町ゆりのき通1
ドライブスルー方式で新型コロナウイルスの感染者を診察するあかし保健所職員(画像の一部を加工しています)=明石市大久保町ゆりのき通1
拡大
ドライブスルー方式で新型コロナウイルスの感染者を診察するあかし保健所職員(画像の一部を加工しています)=明石市大久保町ゆりのき通1

 あかし保健所(兵庫県明石市)の浜田昌範所長(63)が神戸新聞社の取材に応じ、病院に入れず自宅で待機する新型コロナウイルス感染者に対し、4月下旬から医療行為を始めていたことを明らかにした。さらに市内の開業医に向け「自宅で待機または療養する患者の命を守るには医師の協力が欠かせない」と述べ、往診への協力を呼び掛けた。保険診療ができない保健所が、医療行為に踏み込まざるを得なかった背景を聞いた。(長尾亮太)

 新型コロナの国内流行が「第4波」に入り、明石市でも4月は感染者が急増。病院や宿泊療養施設に入れず、自宅で待機または療養する患者が月初めは1桁~10人台だったが、月後半は120~180人台で推移した。

 浜田所長によると、1人暮らしの高齢者が自宅待機を余儀なくされたり、搬送先の調整がつかずに患者が救急車内で5時間も待たされたりする事態に直面。「もはや医療崩壊が起きている。ウイルスは目に見えないだけでこれは災害だと感じた」という。

 行政医療機関である保健所は保険診療ができず、もともと薬を処方する役割はない。しかし、医師でもある浜田所長は往診して何も処置せず帰ってくることに「じくじたる思いを抱いた」。入院待ちの患者が亡くなる現場を目の当たりにし「このままでは多くの人が亡くなってしまう」と医療行為に踏み切った。

 医療行為は2種類。大気中の酸素を濃縮して吸入できる機器を外部から借り受け、血液中の酸素飽和度が低い患者に貸し出すこと。もう一つは、血管の炎症を鎮めるステロイド薬デキサメタゾンの投与だった。必要性を早めに見極めることが重症化を防ぐという。

 「第4波」では感染力の強い変異株の影響で、同居する家族全員がかかる事例が増えた。ただ、感染者全員が入院できない現実がある中で浜田所長は「入院までの間、自宅にいても入院に準じた処置を早期に始められるようにしたい」と語る。

 浜田所長と、同じく医師の資格をもつ宮村一雄副所長の2人で、4月後半と5月1~6日の21日間だけでも延べ242人の患者宅を訪れて診察。さらにドライブスルー方式で273人の患者に対応した。

 浜田所長は「患者やその家族が過去にかかった病気、患者が家族から得られる支援について把握しているのが開業医の皆さんだ。往診してもらえば、患者も安心するはず」と話す。

 大型連休から、市内4カ所の診療所が保健所の要請に応じて往診を始めた。また、明石市医師会が行ったアンケートでは、18カ所の診療所や病院が往診に前向きな回答をしたという。

明石
明石の最新
もっと見る

天気(6月16日)

  • 24℃
  • ---℃
  • 70%

  • 23℃
  • ---℃
  • 70%

  • 24℃
  • ---℃
  • 70%

  • 24℃
  • ---℃
  • 70%

お知らせ