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サポート利用券の事業費を計上した補正予算案について、継続審査を決めた臨時市議会=明石市中崎1
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サポート利用券の事業費を計上した補正予算案について、継続審査を決めた臨時市議会=明石市中崎1
市長専決でサポート利用券事業を実施する意向を表明した泉房穂市長=明石市役所
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市長専決でサポート利用券事業を実施する意向を表明した泉房穂市長=明石市役所

 新型コロナウイルスに苦しむ飲食店と市民に対する緊急支援事業を審議した8月臨時明石市議会(兵庫県)。全市民に配布する5千円分のサポート利用券をめぐって、議員からばらまき批判や効果を疑問視する声が上がり、事業費を計上した補正予算案は宙に浮いたまま閉会した。この異例の事態に、泉房穂市長は専決処分で利用券の配布を断行する決定を下した。コロナ禍の緊急事態下で市当局と議会との溝は決定的となった。

 12日の本会議。生活文化常任委員長の佐々木敏市議は「制度設計に時間をかけ、精査すべきとの結論に至った」と報告。継続審査の賛否を問う採決は、賛成多数で可決された。

 泉市長は5日の会見で「市民や飲食店の悲鳴が聞こえる」と強調。「コロナ禍で大変な今は市の貯金を殖やす時ではなく、貯金を崩してでも市民や飲食店を支えるべき」とも繰り返した。

 市幹部によると、11日の生活文化常任委員会で、補正予算案の継続審査が決まったとの知らせに、泉市長は「専決処分しかないな」と漏らしたという。幹部の指示を受けた総務局が法律的な問題の有無や他都市の前例について調べた。

 泉市長が専決処分を行ったことに対し、ある保守系市議は「それはあかんやろ」と声を荒らげた。

 「議会が議決すべき事件を議決しない時という法律の規定通りの手続き」と繰り返した泉市長。市幹部は「今後、議会とはすべてガチンコ勝負になる」と硬い表情だった。

(小西隆久)

■自民党真誠会 三好宏幹事長

 サポート券事業は、大枠の経済対策の一つとしては反対ではない。タイミング、経費や発送方法などスキームが不確定だからもっと議論しようということ。本当に困窮する飲食店にきちんと届くのかも疑問だ。

 市民の代表として委員会で議論した上で事業をきっちり詰めてほしいと継続審査にしたのに、自分が早くしたいからと専決処分するのは全く違う。議会も議会の権利を行使するだけだ。

■公明党 梅田宏希幹事長

 経営が苦しい飲食店も多く、サポート券の配布は緊急性が高い。我慢をしている市民への応援にもなるので、議案の早期実現を求める。ただし、郵送業者や印刷業者を、入札制で選定したり、全国チェーンの飲食店などにお金が流れない仕組みを作るのも重要だ。専決処分という判断は、法的に問題が無かったとしても、今後の議会運営に支障があるだろう。議会とは丁寧に話すべきだった。

■明石かがやきネット 竹内きよ子幹事長

 議案の趣旨には賛成だ。ただし、現時点ではサポート券が使える加盟店を募っている段階と説明を受けた。また、約1億5千万円という郵送費は本当に必要か。無駄を省けば、秋に1万円分を配ることもできるかもしれない。財源にも限度があり、何度もこのような事業は行えない。審査を継続するべきだと議会が判断したのに、専決処分で決めてしまうのは議会軽視だ。

■日本共産党 辻本達也団長

 現在、国や県による対応が間に合っていない支援の谷間で、全市民を対象にしたサポート券の配布には意味がある。継続審査には反対だ。問題点があり、徹底的に議論するためなら仕方がないが、明確で妥当性のある理由もないのに、先延ばしする意味はない。専決処分は最終手段で、このような結果になったのは残念だが、ルールに基づいた判断。議会側は速やかに決断をする努力をすべきだった。

■維新の会 森勝子幹事長

 新型コロナで生きるか死ぬか、待ったなしの市民が多い中で、まさしく今必要な事業だと思う。議会は内容をよりよくするために議論するのが役割。議会でいたずらに審議を長引かせるのは、商店街やバイトを失った大学生、子育て中のお父さん、お母さんといった市民の声や期待を裏切ることになる。社会の弱者に目を向けたこの事業を市長が専決するのは素晴らしいことで、応援したい。

 新型コロナ緊急対策で全市民に配布するサポート利用券事業をめぐり、泉房穂市長は12日の本会議後、専決処分で支給する意向を表明した。報道機関と泉市長との主なやりとりは次の通り。(まとめ・小西隆久)

 -議会が出した継続審査との結果について

 コロナ禍の中で今、市民の悲鳴があり、飲食店も苦しんでいると言い続けてきた。議会が決めないのであれば、法律に従って、専決処分で予定通り実施する。

 -法律に基づくとは

 地方自治法179条1項で議会が議決しないときは市長が専決処分できるという規定通りに対応する。本日、専決処分を実施する。

 -市民の代表である市議会の結論と異なるやり方で進めることについて。今回は議会軽視では

 私は市民を重視するだけ。新型コロナ禍で多くの市町が専決処分しており、全国的には当たり前の手続き。否決されれば再議だが、議決しないときの対応だ。議会も事業内容に反対していない。問題は議決しないまま、議会が閉じられたことだ。

 -9月議会で事後に報告し、承認されなければどうなるのか

 それは市長の政治責任が問われる。有権者の市民が判断することだ。でも専決で実施した事業の結果は有効だ。

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