明石

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食堂「ジャンボ亭」の33年の歴史に幕を下ろす店主の別当幸雄さん、椏査子さん夫妻=明石市魚住町西岡
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食堂「ジャンボ亭」の33年の歴史に幕を下ろす店主の別当幸雄さん、椏査子さん夫妻=明石市魚住町西岡
12人も座れば満席の店内=明石市魚住町西岡
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12人も座れば満席の店内=明石市魚住町西岡
からあげ定食を味わう常連客の男性。帰り際に「あしたは何時まで」と尋ねていた=明石市魚住町西岡
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からあげ定食を味わう常連客の男性。帰り際に「あしたは何時まで」と尋ねていた=明石市魚住町西岡

 ♪あの味求めてやって来た やっぱからあげジャンボ亭-。兵庫県明石市魚住町西岡の名物食堂「ジャンボ亭」が28日、のれんを下ろす。一昨年まで破格の380円を守り続けた「からあげ定食」は店の代名詞。店主別当幸雄さん(80)がこだわった味を惜しむ常連客らが連日駆け付ける。♪愛されながらも 三十年(みとせ)すぎ-。幸雄さんが作ったオリジナルソングのメロディーが店内に哀愁を漂わせる。(小西隆久)

 ♪古いのれんに 歴史(とき)をみる-。

 同店は1989年5月にオープン。もとは野菜などをトラックで売り歩く商売をしていた幸雄さん。一人娘が高校、大学へと進学し、「父親がよう分からん仕事をしてたらかわいそうや」と飲食店を構えた。

 当初、国道175号沿いの空き地にラーメン店を開く構想で「1人前に麺2玉入れて450円。店名は『ジャンボ屋』」とまで考えていた。ところが水道などを引く費用が高額で断念。知人に現在の場所を紹介され、居酒屋の内装そのままに食堂「ジャンボ亭」を開店した。

 ♪「味付(あじ)は生命(いのち)」と口ぐせの-。

 「こんな小汚い店が33年も続いたんは味。味だけはこだわった」と幸雄さん。料理上手の妻椏査(あさ)子さんに教わりながら作っては食べ、作っては食べ、を繰り返した。

 店の名物、から揚げの下味に使うショウガなどの分量は「すべて適当」と笑う。「適当ちゅうのは、自分の中できっちり決まっているからできるんやで」。ジューシーさの秘密は料理酒と少しの砂糖という。

 お金がない学生たちが食べられるようにと決めた380円から、450円に値上げしたのは19年10月。消費税が10%に引き上げられ「お客さんが心配して『値上げせえよ』って言ってくれたんや」。

 ♪食堂冥利(しごとみょうり)が身に余る-。

 閉店を決めた理由は幸雄さんの持病である腰痛の悪化。張り紙で告知したところ口コミで広がり、かつてのなじみ客たちが花を持って訪れるなど店が連日満席に。用意する鶏もも肉や米の量がそれまでの倍になった。

 幸雄さんは、自作曲のCD2枚を自主製作するほどの歌好き。店のテーマソング「明石魚住ジャンボ亭」を自らの歌声で録音し、店内に流す。客に生歌を披露したこともあった。幸雄さんは「わしの趣味によう付き合ってもらったわ」と笑う。

 幸雄さんと椏査子さんは「お客さんとの出合いや思い出が何よりの財産」と、最終日を万感の思いで迎える。営業は午前11時~午後6時。

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