播磨灘の養殖ノリの収穫が、兵庫県明石市沖で本格化している。今シーズンは海の栄養不足から生産が遅れ、県産ノリの初入札会が予定から1週間ずれ込むなど不安のスタートとなったが、漁師らによると、色づきが良くなっており、例年並みの品質を見込んでいる。
明石浦漁業協同組合(同県明石市岬町)では、沖合約1キロに幅約1・5メートル、長さ約20メートルのノリ網を約1万3千枚張っている。現在は2回目の刈り取り作業中で、専用の「潜り船」約30隻が漁場のあちこちで網をくぐる様子が見られる。
戎本裕明組合長(59)は「ここに来て生育が順調になった。新ノリの味が良かったので楽しみにしている」とにっこり。「明石海峡の潮のきついところで育ったノリはコクがあり、じゅわっと味が出てくるよう。明石が日本有数の産地だと知ってほしい」と話す。
ノリの生産は4月末まで続く予定。
(松本寿美子)
