宝蔵寺(兵庫県明石市林2)で3日、家内安全や商売繁盛などを祈る年頭行事「毘沙門天祭会(びしゃもんてんさいえ)」があった。お経の読み上げに続き、餅などを配る「福まき」が行われ、地元住民らはこの1年を健やかに過ごせるよう祈った。
播磨灘の鹿ノ瀬から引き揚げられたと伝わる木造の毘沙門天が本尊で、毎年1月3日に祭りを執り行う。勝負事に御利益があるとされるほか、祭りでは五穀豊穣(ほうじょう)や豊漁、学業成就なども祈る。
約70人が訪れた本堂で、僧侶9人が600巻に上る大般若経を転読。お経の題名と初めの数行を唱えながら、蛇腹折りの経典をぱらぱらと開いては閉じた。続いて紅白の餅や、硬貨の入った福銭が境内に向かって投げられ、集まった人たちは御利益にあずかろうと懸命に手を伸ばした。
松本泰範住職(57)は「コロナの流行以来、いろんな事が止まってしまった。コロナの収束に向けてみんなで力を合わせ、新しい物事に進んでいく1年になってほしい」と話していた。(長尾亮太)
