小惑星りゅぐうの砂を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ2」の帰還カプセルの公開が21日、兵庫県明石市立天文科学館(同市人丸町)で始まった。初日は約200人が訪れ、6年に及ぶ約52億キロの長旅を経て帰還した実物のカプセルにくぎ付けだった。25日まで。(川崎恵莉子)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」は2014年に地球を出発。約3億キロ離れたりゅぐうで、5・4グラムの砂の採取に成功した。カプセルは20年12月、地球に帰還。試料の分析から太陽系や生命誕生の手がかりが見つかるか期待がかかる。
カプセルは直径40センチ。中身が分かりやすいように分解され、内部に搭載された電子機器や着地の際に使われたパラシュートなど計5点を展示する。大気圏突入時の約3千度の熱から守った「背面ヒートシールド」は、黒く焼け焦げている。
会場では偉業達成までの歩みをパネルで紹介。はやぶさ2の立体模型、りゅうぐうで採取された試料と同じ特徴の炭素質隕石(いんせき)も展示している。同館の井上毅館長(53)は「カプセルの内部は新品のようにきれいな状態で驚くと思う。人類の宝をぜひ見てほしい」と話している。
定員は各日先着780人。新型コロナウイルス感染防止のため、15分ごとに30人ずつ案内する。23~25日は空きあり。事前予約制(空きがある場合は当日に随時受け付け)。入館料大人700円、高校生以下無料。同館TEL078・919・5000
