明石

  • 印刷
共著「時間の日本史」を手にする天文科学館長の井上毅さん=明石市人丸町
拡大
共著「時間の日本史」を手にする天文科学館長の井上毅さん=明石市人丸町

 兵庫県明石市立天文科学館(同市人丸町)の井上毅館長(53)が、時間や天文学の専門家らとともに「時間の日本史-日本人はいかに『時』を創ってきたのか」(小学館)を出版した。明治・大正期に起きた「時」の技術進歩や、日本人の時間感覚の変化などについて著書の中でひもといた井上館長は、「時と日本人の物語は魅力にあふれている」と執筆に込めた思いを語る。(川崎恵莉子)

 「時の記念日」の制定から100年を記念する企画展が、2020年に国立科学博物館(東京)と天文科学館で開催。そのときに専門家らが持ち寄った資料や知見を本にまとめた。

 井上館長が担当した第2章は、明治・大正期に大きな変化を遂げた日本人と時の関係を解説。館長によると、昔の日本人の時間感覚はゆったりとしており、「日本人が時間を守らない」との不満が江戸時代末期の外国人の日記には残されているという。

 ところが明治維新により近代化が始まると、郵便制度や鉄道が整備。正確な時刻管理の必要性が高まり、人々に正確な時を知らせる技術も進んだ。当初は鉄道運行のための時刻表が作られても、人々が時刻を知る方法が乏しく、駅では毎正時に鐘を鳴らして時を知らせたという。

 「時の記念日」の制定も、日本人の時間意識を変える役割を果たした。時間にルーズだった当時の人たちに時間を守るよう促すため、1920年に現在の国立科学博物館で「『時』展覧会」を開催。盛況だったため、時の大切さを伝える催しとして記念日が企画されたという。

 また、23年の関東大震災の後には、郊外に住んで都内へ鉄道で通勤する労働者が増加。会社では8時間労働制やタイムカードが導入されるなど、正確な時間で行動する動きが定着していったという。

 井上館長のほか、国立科学博物館名誉研究員の佐々木勝浩さん、山口大学時間学研究所所長の藤沢健太さんら5人が執筆を担った。

 A5判、225ページ。2860円(税込み)。全国の書店やネットで販売している。

明石
明石の最新
もっと見る
 

天気(5月24日)

  • 27℃
  • 17℃
  • 0%

  • 29℃
  • 12℃
  • 0%

  • 29℃
  • 16℃
  • 0%

  • 30℃
  • 14℃
  • 0%

お知らせ