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新幹線開通以前に撮影された現在の西明石駅北側付近。農村風景が広がる
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新幹線開通以前に撮影された現在の西明石駅北側付近。農村風景が広がる
現在は娘が経営するホテル前で語る山田雅仁さん=明石市和坂
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現在は娘が経営するホテル前で語る山田雅仁さん=明石市和坂
夫婦で洋菓子店を営む●谷透さん、ひとみさん=明石市西明石南町1(注)●は「濱」の異体字
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夫婦で洋菓子店を営む●谷透さん、ひとみさん=明石市西明石南町1(注)●は「濱」の異体字

 山陽新幹線の新大阪駅-岡山駅間が開通し、15日で50年を迎えた。新幹線は地域に何をもたらしたのか。変わったこと、変わらなかったこと、商店主らに今日までを振り返ってもらった。(松本寿美子)

■全国からの出張客で忙しく 西明石駅北でホテル経営・山田雅仁さん

 川崎重工、三菱重工、富士通、神戸製鋼…。周辺工業地帯の需要を背景に、田畑が広がっていた西明石駅北側は近代化が進んだ。

 地元商店主らでつくる西明石パパたこ商店会会長の山田雅仁さん(71)はホテルを営む。「出張客が多くて毎日忙しかったけど、全国からの常連さんと親しくなれ、今も交流が絶えない」と目を細める。

 母親が開通8年後に開業したホテルを継ぎ、10室だった客室数は55室に。行政の計画的な整備が進み、商店会会員も開通当初の10店余りから70店に増えた。

 マンションも多く立ち並んだ。不動産業を営む若松久和さん(66)は住宅地としての魅力に「普段は新幹線を使わない人にとっても、たまの帰省が便利になるからグレードアップには違いない」と話す。

 分譲が多く、市の子育て支援策もあって現在も売れ続けているといい「あとは駅かな。新幹線が止まる駅にしては地味。JRと行政で話してもらい、活気が出るようにしてほしい」。

 山田さんも「新旧いろんな業種があるからまとまるのが難しいけど、駅前通りをもっと活性化させたい」と将来を見据えている。

■開通当日、両親ら一番列車に 西明石駅南の洋菓子店・●谷さん

 「開通した日、家族が一番列車に乗ったんです」。西明石駅南側で洋菓子店を営む●谷透さん(68)は、墓参りのため岡山県に向かう両親や祖母らをホームで見送った。「うちも数日前から高揚した雰囲気がありました」

 父親は国鉄マン。母親がその年の9月、洋菓子店を開いた。既に住宅地だった駅南は新たな開発が進まず、細い通りが交わる昔の街並みが残る。西明石南商店街事業協同組合理事長も務める●谷さんは「近代化された駅北に比べると取り残されたような気持ちはずっとあった」。地域は高齢者が多く「今はこの雰囲気が落ち着くという声もあってね」と語る。

 新幹線と時を同じく、地域密着で歩んだ店も秋には50周年を迎える。「店じまいするところもあり、体力が続く限り頑張りたい」。妻ひとみさん(64)と店に立つ。

(注)●は「濱」の異体字

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