兵庫県明石市西明石北町1の横断歩道に、歩行者が渡る際に点滅する「ぴかっとわたるくん」が設置された。市によると、西日本で初めての設置とみられるという。この横断歩道では昨年11月、男子中学生が重傷を負う交通事故があり、再発防止を図る。(有冨晴貴)
「ぴかっと-」は、ボタンを押すと発光ダイオード(LED)が点滅する。歩行者が死角にいる場合や、夜など視界が悪いときにも、ドライバーが素早く歩行者を認識できる。
横断歩道があるのはコープ西明石の北東で信号のない交差点。昨年の事故では北上する車が横断歩道を渡っていた中学生をはねた。明石署によると、ドライバーが中学生を見落とした一因として、南下する車が横断歩道のすぐ南に停車しており、北上する車からは東側(右側)が死角だったことが挙げられるという。
この道路は南向き車線が渋滞し、北向き車線はスムーズに流れることが多いため、同様の事故が発生しやすいという。市と同署は再発防止のため協議。「ぴかっと-」の設置を決めた。
設置と同時に、南向き車線で死角を作っていた車の位置を赤色に塗装した。横断歩道の前後5メートルは、もとともと駐停車が禁止されているが、改めて注意喚起する。同署によると、このような目的での塗装は県内で初めてという。
市道路整備課によると、将来的には横断歩道を北側に移設したり信号機を設置したりすることも検討している。安全が確保でき次第「ぴかっと-」は撤去され、必要があれば市内の他の横断歩道に設置される。
明石署の池澤純一交通官は「ドライバーには、歩行者優先という基本を徹底してほしい」と話した。
