日本料理店ぜんさく（兵庫県明石市和坂）のタイを使った通信販売商品が、日本に住む外国人審査員が選ぶ「おもてなしセレクション」で受賞した。自宅で手軽に和食を楽しめる通販事業が評価された。（有冨晴貴）

　受賞したのは「鯛の食べ比べセット」（税、送料込み４１５０円）。かぶと煮、昆布締め、たい飯が楽しめる。

　西明石ホテルにある同店は３月から通販事業を始めた。コロナ禍で客足が遠のき、以前から考えていた通販商品の開発を本格化させた。これまでに、通販だけでタイ２５００匹分を販売したという。

　商品の原案は、全て女将（おかみ）の山田梢さん（４４）のアイデア。通販事業で取り扱う商品はいずれも「席を立たなくていい」というコンセプトで開発されている。

　山田さんは、親戚が集まる食卓で忙しく給仕している母の姿を思い出して「簡単に調理できるものが喜ばれると思った」という。かぶと煮は皿に移し替えて電子レンジで温めれば完成。たい飯も具材を白米と炊けばできあがる。買い足す食材もほとんどない。審査員からは「料理が苦手な友人へのお土産に最適」「料理する人の負担を軽減してくれる」などと評価する声が上がった。

　山田さんは「うちの商品が、明石に来てもらうきっかけになればうれしい」と話している。