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会場に展示されている明石型生船の模型=明石市上ノ丸2、明石市立文化博物館
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会場に展示されている明石型生船の模型=明石市上ノ丸2、明石市立文化博物館
譲り受けた焼玉エンジンを試運転する金井清さん(奥)ら=明石市港町7、明石発動機工作所
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譲り受けた焼玉エンジンを試運転する金井清さん(奥)ら=明石市港町7、明石発動機工作所

 1970年代まで漁や運搬用に造られた船を紹介する企画展「明石の木造船」が、兵庫県明石市立文化博物館(同市上ノ丸2)で開かれている。日本で初めて発動機が付き、生きた魚を高速で運べるようになった「明石型生船(なません)」などの模型や部材約50点が展示され、古代から近現代までの木造船の変遷をたどる。(松本寿美子)

 明石型生船は、水産会社「大洋漁業」(現マルハニチロ)を創業した中部幾次郎が明治時代、人力に限界を感じ、第5回内国勧業博覧会でアメリカ製を見て思い立った活魚運搬船。会場に模型が展示されている。

 船首側に魚を入れるいけすが設けられ、常に新鮮な海水を魚に供給できるよう船底や側面下部に多くの穴を開け、木栓でふさいで水量を調整した。担当した西本暢子学芸員は「乗組員が潜って木栓でふさぐ際、海水がとても冷たいため、冷えを防ごうとしょうゆを飲んだそうです」と話す。

 また、中部の発案と時を同じくし、明石で発動機生産を思い立ったのが木下鉄工所(現在の阪神内燃機工業)を創業した木下吉左衛門。その後、明石に発動機メーカーが次々と創業された。会場には中部や木下の資料のほか、当時の発動機「焼玉(やきだま)エンジン」の模型、淡路で製造された木栓なども飾られている。西本学芸員は「漁船だけでなく、いろいろな船が活躍したこと、明石独自の船があったことを知ってほしい」と話している。

 26日まで。月曜休館。午前9時半~午後6時半(入館6時まで)。同館TEL078・918・5400

     ◇     ◇

■明石の愛好家ら「焼玉エンジン」復活

 明石型生船に搭載されたのが、熱した鋼鉄製の玉に、重油などの燃料を噴射して起こる爆発のエネルギーを利用した「焼玉エンジン」。昭和30年代まで製造されていたといい、発動機メーカー「明石発動機工作所」の4代目で顧問の金井清さん(71)は「小学校3年生ごろまで、工作所で造るのを見ていた」と振り返る。

 金井さんは2021年6月、三重県の鳥羽商船高等専門学校に残る焼玉エンジンを譲り受け、約1カ月間かけて修繕した。昭和20年製造と書かれ「動かせる状態の焼玉エンジンは珍しく、10年ほど前から欲しいと願い、実現した」と話す。

 愛好家グループ「生船研究会」事務局を担い、明石市立文化博物館で開催中の企画展「明石の木造船」にも協力。11日の関連イベント(申し込み終了)で、工作所で他の愛好家が持ち寄る2基と合わせ、焼玉エンジンを披露する。

 金井さんは「今回取り上げてもらえることはうれしく、明石の恩人である中部さんのことも子どもたちに知ってほしい」と話す。

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