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自身が発行したミニコミ誌を見返す曽我部とし子さん=明石市桜町
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自身が発行したミニコミ誌を見返す曽我部とし子さん=明石市桜町

 兵庫県明石市内の通り魔事件で曽我部雅生(まさお)さん=当時(24)=が殺害されてから、9日で丸26年となった。犯罪被害者遺族として活動を続ける母とし子さん(76)は「今もふいに雅生のことを思い出し、泣くこともある」と心境を打ち明ける。(有冨晴貴)

 長男の雅生さんは1996年6月9日、JR明石駅南の路上で背後から包丁で刺された。逮捕された男は精神障害があり不起訴。息子の命だけでなく、裁判で真実を知る機会さえ奪われた。雅生さんは、とし子さんが営む日本料理店の柱だった。

 「加害者に対する怒りはまだある」。穏やかな口調ながら、とし子さんは言い切った。以前、加害者の親族が入院していたと知った。その病院の広告を見た際、関係ないと分かっていても「破いてやろうという衝動に駆られた」。

 遺族の思いをつづったミニコミ誌「風通信」は昨年終刊としたが、犯罪被害者遺族の集会などには、よく足を運ぶようになった。「まだやり残したことがある、という思いからかしら」

 刑法39条は「心神喪失者の犯罪行為は罰しない」と定める。雅生さんを殺害した男も不起訴となり、病院で治療を受けることになった。以来、どこで何をしているのかは分からない。とし子さんは風通信に、加害者が治療を受けることに異存はないとしつつ「罪は罰して」「加害者の出所を、街のうわさで知るのはいやだ」と記した。

 法令改正が進み、遺族が加害者の近況を知ることができるようになったり、加害者側が賠償金を支払わない場合に市が立て替えたりするようになった。

 それでも、とし子さんは犯罪被害者対策は道半ばだと考えている。「被害者たちが十分な救済を得られるような仕組みを作りたい」と力を込める。

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