梅雨や台風で降水量が増えるこれからの季節は、水害発生の恐れが大きくなる。鉄道の下などを通るため周囲より低くなっているアンダーパスが冠水し、車が立ち往生したり水没したりするケースは県内でも報告されている。兵庫県明石市の担当者に注意点を聞いた。(有冨晴貴)
市総合安全対策室や市道路整備課によると、市内にはアンダーパスや地下道が計14カ所ある。そのうち11カ所を市、2カ所を県、1カ所を国が管理し、8カ所には車道がある。
同課によると、車道がある場所は、いずれも15センチ以上冠水すると通行止めとなるが、ここ5年間は雨による通行止めの記録はない。
一方で担当者は「ポンプで排水しているアンダーパスは、停電すると冠水の危険性が高まる」と話す。アンダーパスは構造上、周囲よりも低い土地に位置することが多い。このため、たまった水を排出するには、くみ上げが必要になる場合がある。市内11カ所のアンダーパスには水をくみ上げるポンプがあり、送電が止まると停止してしまう。
また、一部のアンダーパスには通行止めを知らせるための表示板が設置されているが、これも停電時には表示されなくなる。その際は市職員らが誘導するが、到着まで時間がかかるケースもあるという。
アンダーパスに地面から15センチ以上水がたまった場合、エンジンが止まるなどして車が立ち往生する恐れが増す。市総合安全対策室の担当者は「特に停電時には、しっかり確認して安全確保に努めてほしい」と話している。
