明石

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ダイビングで水中にタコつぼを沈めた(藤原巧巳さん提供)
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ダイビングで水中にタコつぼを沈めた(藤原巧巳さん提供)
漁船で海に潜る準備を進めるダイバー=江井島沖
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漁船で海に潜る準備を進めるダイバー=江井島沖
クルーズ船の航跡と明石海峡大橋=明石沖
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クルーズ船の航跡と明石海峡大橋=明石沖
船から見えた淡路島の観光施設「ハローキティスマイル」
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船から見えた淡路島の観光施設「ハローキティスマイル」

 ダイビングスポットといえば、和歌山? 沖縄? それともハワイ? でも、兵庫県・神戸や明石にも海は広がっている。神戸市中央区のダイビングスクールが漁協などと協力し、明石海峡周辺でダイビングを楽しむ活動を進めている。見慣れた海だが、その底にはどんな世界が広がっているのだろうか。スクールが開いたイベントに同行した。(川崎恵莉子)

■神戸にも海

 企画したのは、ダイビングスクール「Sionn(シオン)」を経営する藤原巧巳さん(29)。普段は和歌山県などでダイビングやインストラクター養成の講座を開いている。

 「神戸にも海がある」と約2年前から、神戸市垂水区のゲストハウスの協力を得て砂浜近くで潜るようになった。多種多様な生き物がいる環境を目の当たりにし、「この海のことをもっと広めたい」と実感。明石浦漁協などと連携し、来年度から神戸や明石でダイビングの本格実施を目指す。

 イベントは8月20日、試験的に開かれた。参加者は同漁協で競りを見学後、漁港に集合。上級者はダイビングを、ほかの参加者は漁船でのクルージングを体験することになり、それぞれの船2隻が、まずは明石市の江井島沖へと向かった。

■タコつぼを沈める

 イベントのテーマは「海を知る、生き物を学ぶ、海の未来のためにできることをする」。海について学べるさまざまなプログラムが用意されていた。

 ダイビングの参加者は不漁が続くタコのすみかとなるタコつぼを沈めた。海に潜り、抱卵したタコが入ったつぼなどを海底に置く。海中ではアジやヒラメ、クロダイ、タコが見られた。

 自ら潜った藤原さんは「和歌山や沖縄でのダイビングならカラフルな魚が泳いでいるけど、食卓に登場するような知られた魚が見られるのは明石ならでは。全く違う光景で楽しかった」と笑顔を見せた。

 クルーズ船は、同漁協の戎本裕明組合長の操縦で沖に向かった。記者も乗船。遠ざかっていく明石海峡大橋を見ながら、気持ち良い潮風に吹かれる。

 江井島沖でダイビングの様子を見届けた後、南へ。「運が良ければ、スナメリに出合えるかも」と戎本さん。漁をしていると、イルカの一種スナメリの群れを見ることがあるというが、残念ながらこの日は姿を現さなかった。さらに瀬戸内海有数の好漁場として知られる「鹿ノ瀬」を通り、淡路島の北西沖を目指した。

■新鮮な光景

 雲間から強い日差しが差してきた。漁船にはほとんど乗ったことがなく、少し船酔いした記者の目に、淡路島の観光施設「ハローキティスマイル」が飛び込んできた。海から見る淡路島の観光施設や自然は、新鮮な光景だった。

 参加者は2時間ほどのクルージングとダイビングを終え、再び陸に戻った。夜は、バーベキューで海の幸を味わう。丸1日かけて海を満喫した。

 「まだまだ課題はあるけど新しい可能性を感じた」と藤原さん。「幅広い年代の人に参加してもらえるプログラムを考えていきたい」と抱負を口にした。

 豊かな海を守り、より多くの人に知ってもらう。ダイバーと漁師たちによる取り組みはまだ始まったばかりだ。

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