兵庫県明石市在住の画家・絵本作家たなかしんさん（４３）が、乳幼児から楽しめる新作絵本「おたんじょうびふ～」を出版した。誕生日ケーキに立てたろうそくの火を一気に吹き消すと願いがかなうという海外での言い伝えを基に、優しいタッチで動物や子どもが登場する物語が描かれている。

　たなかさんは明石の海の砂を下地に用いる絵画を多く手がけており、今回は絵をタブレット端末のｉＰａｄ（アイパッド）で制作して合成した。

　明石の出版社「ライツ社」にとって初めての絵本となり、「地元から絵本を出したかったので光栄。砂の土台で明石の要素も入れられた」とたなかさん。自身も７歳と５歳の子どもがおり、「幼い頃に楽しいことがいっぱいあって、覚えていられたらいいなと思う。中でも誕生日は特別」と楽しさを思い出せるような作品をと考えた。

　物語では、犬や猫、ウサギ、ネズミ、子どもが、ケーキに立てたろうそくをふーっと吹き消すと、思い浮かべていた願い事が現れ、最高の笑顔になる。「自分の願い事を話してくれるのもうれしい。幸せな気持ちになってもらえたら」と話している。

　１３２０円。主な書店やインターネットで販売中。

　また、１４～１９日には阪急うめだ本店９階（大阪市北区）で個展「たなかしんの世界展」を開催する。１０回目となる今年のテーマは「祝福」。今作をはじめ、今年出版した絵本「さんぽっぽ」「いいいろふうせんや」の原画、旅先の風景を題材にした絵画など約１５０点を展示する。午前１０時～午後８時（最終日は午後６時まで）。入場無料。（金山成美）