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ハニカムブラインドの断熱構造について説明する森下誉樹さん=姫路市山吹2
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ハニカムブラインドの断熱構造について説明する森下誉樹さん=姫路市山吹2

 平年以下の気温が続く。寒さが厳しいと、急激な血圧変化で起きる健康被害「ヒートショック」の危険性が高まる。防止するためにはどうすればよいのか。明石を含む播磨地域で住宅建設を行うモリシタ・アット・ホーム(兵庫県姫路市山吹)の社長で、住まいに関するユーチューブ動画を配信し続けている森下誉樹(たかき)さん(60)に話を聞いた。

 森下さんは約30年前、父親を脳出血で亡くした。12月の朝にトイレで倒れているのが見つかった。「後でヒートショックが原因だと気付いた」と振り返る。無断熱の家の場合、布団の中とトイレの温度差は30度以上になる場合もある。温度変化により血圧が急激に上下し、脳出血や心筋梗塞を引き起こす。「父が亡くなったのは50代。高齢者でなくても油断はできない」と説く。

 ヒートショックを防ぐには温度差をなくすことが大切だ。しかし、日本の一戸建て住宅の6、7割が無断熱で、断熱への関心は低い。森下さんは、親が断熱リフォームしようと子どもらに相談すると「悪徳業者にだまされているのではと反対された」という話をよく聞く。反対に子どもが親に断熱を勧めると、親は「大丈夫」「必要ない」「もったいない」と取り合ってくれないことが多いという。

 断熱リフォームに前向きな人も、見積もりの金額を見て「もう年寄りやし何年過ごせるか…」とためらうことが多いという。森下さんは「節約の精神も良いが、お金があっても健康でなければ意味がない」と話す。

 予算が限られている人や賃貸住宅に住む人に森下さんが勧めるのが、自身で挑戦する断熱DIY。手軽にできるのは、段ボールに似た中空構造の板材「プラスチック段ボール(プラダン)」を使った二重窓だ。

 ガラス戸レールを窓枠の上下に両面テープで貼り付け、カットしたプラダンをはめ込んで引き違いの窓をつくる。材料は全てホームセンターでそろう。縦横2メートル程度の窓であれば1カ所1万円以下で作れる。不器用な人は、着脱可能な両面テープで窓枠全面にプラダンを貼り付けるだけでも効果は実感できるという。引き下ろすと空気層ができる「ハニカムブラインド」の装着も効果的だという。

 高齢の客にはいつも断熱を勧めるという森下さん。「おせっかいかもしれないが、ヒートショックの怖さや断熱した後の快適さは身に染みて感じている」「帰省する人も多い年末。親やおじいちゃんおばあちゃんに断熱DIYをプレゼントしてみてはどうだろうか」と笑顔で呼びかける。

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