明石

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中学生と高齢者を訪問した師走。円卓の間に立つ松本茂子さん=明石市西明石南町2
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中学生と高齢者を訪問した師走。円卓の間に立つ松本茂子さん=明石市西明石南町2
活動拠点の地域支え合いの家「西明石サポーティングファミリー」=明石市西明石南町2
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活動拠点の地域支え合いの家「西明石サポーティングファミリー」=明石市西明石南町2

 2023年が明けました。皆さん、初夢は見られましたか。新しい年、このページではまちの未来を見つめていきます。まずは草の根で活動する人たちに聞きに行きました。兵庫県・明石をどんなまちにしたいですか-。

 みんなが楽しく集えるよう心がけていること? 家族の自慢話をしないこと。暗黙のルールです。子や孫がいない人もいますから。ここではボランティア25人が主に花園小学校区の高齢者や子どもらの居場所づくりなどを続けていますが、仲間を大切にし、地域への貢献と喜びを感じられることが大事です。

 私たちの拠点、地域支え合いの家「西明石サポーティングファミリー」は、西明石駅南商店街の一角にあります。デイサービスの事業所だった物件なので広く、トイレも玄関もバリアフリー、ガラス張りで外から見えるのがいいでしょう。

 高齢者・障害者世帯の見守り訪問や家事・作業の手伝い、外出補助、食堂、編み物や刺しゅう、ペン習字教室…。活動にはいつも自由に使える場所が必要。毎日開けて、誰かがいて、相談できることが大事だから。何人でも寄れるよう机は円卓です。小学生もトイレを借りたり、お茶を飲みに来たりします。

□「阪神・淡路」原点

 始まりは28年前の阪神・淡路大震災。当時、私は望海コミュニティ・センターの職員でした。コミセンにはたくさんの人が避難し、寒さで震えていました。

 私は大阪府豊中市出身ですが、西明石で子育てし、PTAや婦人会活動を通じて人間関係を築けました。市連合婦人会長だったので、炊き出しや全国から届く物資の仕分け作業にも行きました。既に50代でしたが車の免許を取りました。

 行政に何かできることはないかと聞きに行っても、彼らも初めての経験で答えられなかった。非常事態には自分が気がついたことから仲間をつくって動く。それが大事と知りました。

 仮設住宅50戸ができ、グループで約3年半、最後の人が復興住宅に移るまで見守り活動を続けました。

□関わり拒む人にも

 地域にはほどほどのおせっかいが必要。私は父が釣りざおを作り、母が釣り道具を売る商売人家庭で育ちました。人好きの原点です。豊中高校を卒業後、住友銀行を経て大阪商工会議所で勤め、経営者との会話がとても勉強になりました。

 私たちがいま訪問するのは160世帯。最初は関わりを拒む人もおられますが、それでも声をかけます。こちらの人となりを知ってもらえれば、だんだん話してくれるようになります。

 問題があれば市社会福祉協議会・にしあかし総合支援センターにつなぎます。地域福祉には市社協がとても大事。だから職員さんには、もっと私たちの話を聞きに来てほしいです。

 もう一つ、こまやかさが大切と実感しています。ここでは女性が主体となって活躍していますね。男性は運転や力仕事で頼りにしています。今後、若い人も巻き込むには有償ボランティアの検討が必要でしょう。

 地域に根ざし、地域に信頼されることがモットー。親切がパッチワークのように重なるまちへ。「地域を良くしよう」という心根があれば実るはずです。

【メモ】地域支え合いの家 明石市が2017年度から始めたパイロット事業。おおむね中学校区を対象地域にし、地域住民が週4日以上開設し、介護や生活の悩みがある人らの「よろず相談所」として行政機関と連携、課題解決に取り組む。運営業務委託料は年間上限360万円。現在「西明石サポーティングファミリー」のほか「ひまわり」(松が丘2)、「nono」(小久保6)の3カ所ある。

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