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中島さんの作品「樵の楽日」(右)のそばに立つメンバー=明石市立勤労福祉会館
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中島さんの作品「樵の楽日」(右)のそばに立つメンバー=明石市立勤労福祉会館
創作中の中島柏碩さん
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創作中の中島柏碩さん

 2022年3月に97歳で亡くなった南画家、中島柏碩(はくせき)さん(兵庫県明石市)をしのぶ遺作展が26日、同市立勤労福祉会館(同市相生町2)で始まった。市立高齢者大学校あかねが丘学園の水墨画クラブで中島さんに習った有志13人が企画。展示作品58点のうち多くは同市立文化博物館(同市上ノ丸2)に寄贈される。(松本寿美子)

 中島さんは長崎県生まれ。商社に勤務し、1944年ごろから数年間、中国に派遣された。帰国後は神戸銀行に勤め、南画を佐野柏葉氏に師事。81年に退職し、南画家として独立した。水墨画クラブでは、12年前から病に倒れる2021年2月まで指導した。

 遺作展では軸装や額装、屏風(びょうぶ)のほか、生徒に手本を見せる際に描いた作品なども並ぶ。有志代表の小池英隆さん(78)は「先生はいつも、わしの筆先を見て学べ、筆を持ったら無心で描けと言われた」と振り返り、改めて作品を見て「南画は最初に描法をひたすら模写して覚えるが、先生はそれを徹底されたのを感じる」と見つめる。

 会場入り口に飾ったのは、頼山陽史跡資料館(広島市)が全国公募する「南画精華展」で一席を受賞した「樵(きこり)の楽日」。小池さんは「あまり感情を出さない先生がすごく喜ばれ、絵の一部を描いた色紙をメンバー全員に贈られた」と懐かしむ。

 遺作展終了後、作品の一部は遺族に戻るが、大半は文化博物館に贈られる。同館職員の西本暢子さんは「明石で南画一筋に描き、広く伝えた方で、貴重な作品群」と語り、小池さんは「郷土の作家として認められうれしい。先生の苦労が実ったよう」と語る。

 無料。1日まで。午前9時~午後5時(最終日は同3時)。

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