兵庫県警加東署=加東市社
兵庫県警加東署=加東市社

 東京電力福島第1原発事故の除染作業を行ったように装い、社長を務めていた会社に架空請求をして約3800万円の損害を与えたとして、兵庫県警捜査2課と県警加東署は12日、会社法違反(特別背任)の疑いで、同県西脇市の運送業の男(50)を逮捕した。

 逮捕容疑は、2016年8月19日ごろから17年10月23日ごろにかけて、当時社長だった加東市の廃棄物収集運搬業者に対し、同社が請け負った福島県での除染作業を千葉県の知人男性の会社に委託したように装い、18回にわたり委託料を架空請求させ、廃棄物収集運搬業者に計約3800万円を支払わせた疑い。除染作業は実際には行われなかったとみられ、委託料は男の親族が代表を務める兵庫県三木市内の企業に振り込まれていた。

 同署によると、廃棄物収集運搬業者の内部調査で発覚した。男は架空請求などに関係したことは認めつつ、「会社で必要な金を捻出するためだった」などと容疑を一部否認しているという。