兵庫県相生、赤穂市にまたがる山陽自動車道尼子山トンネルで5日未明に起きた火災で、西日本高速道路は20日、報道陣に初めて現場を公開した。全長592メートルのうち、東側から約400メートルにわたってコンクリート壁がまだら状にはがれ落ちている。現在、損傷具合を把握する調査を進めている。
同社によると、トンネル内のコンクリート壁は厚さ55センチあり、最大10センチ程度えぐれているという。焼けた車両や照明設備、崩落した壁は撤去され、損傷具合の調査後、復旧に向けた工事の進め方などを検討する。同社が設置した技術検討会は、早期復旧は難しいとの見方を示している。
火災ではトラックや乗用車など計23台が焼け、鎮火までに約40時間かかった。播磨ジャンクション-赤穂インターチェンジ間(約13キロ)の西行きで現在も通行止めが続き、国道2号など周辺道路が渋滞している。
同社姫路高速道路事務所の吉田英樹所長も現場を訪れ「関係各所と連携し、一日も早い復旧を目指す」と話した。(井上 駿)