兵庫県内で高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認され、急きょ開かれた県の対策本部会議=16日午前、神戸市中央区中山手通5、県災害対策センター(撮影・笠原次郎)
兵庫県内で高病原性鳥インフルエンザの陽性が確認され、急きょ開かれた県の対策本部会議=16日午前、神戸市中央区中山手通5、県災害対策センター(撮影・笠原次郎)

 兵庫県は16日、姫路市の養鶏場で見つかった高病原性鳥インフルエンザへの感染が疑われる事例について、PCR検査で陽性を確認したと発表した。今季、全国の鳥インフル発生は7例目で、県内では初。県は養鶏場で飼育する採卵用のニワトリ約24万羽の殺処分を始めた。殺処分の規模は県内で過去最大となる。

 15日午前9時ごろ、養鶏場から「死んだニワトリが増えている」と通報を受け、姫路家畜保健衛生所が簡易検査を実施。死んでいた8羽が陽性で、生きた2羽は陰性だったが、16日朝のPCR検査では生きた2羽を含め、いずれも陽性となった。県は養鶏場内を消毒し、部外者の立ち入りや鶏卵の出荷自粛を要請した。

 県は養鶏場から半径3キロ以内にある2施設(計2万7443羽)にニワトリや卵の移動を禁止し、半径3~10キロ以内にある28施設(計80万5374羽)には区域外へのニワトリや卵の搬出を禁じた。この区域の周辺の施設4カ所に、畜産関係車両を消毒できるポイントを設けた。

 県は16日午前、対策本部会議を設置。斎藤元彦知事は「迅速なまん延防止措置に全庁を挙げて対応していきたい」と述べた。殺処分は16日午前9時に始め、約1週間後の完了を目指す。

 県内の養鶏場で鳥インフル感染が明らかになったのは4例目。2020年に淡路市、21年に姫路市、22年にたつの市の養鶏場で発生した。(長尾亮太)