女性が刺殺されたマンション。兵庫県警による捜査が続いていた=21日午前7時21分、神戸市中央区磯辺通2
女性が刺殺されたマンション。兵庫県警による捜査が続いていた=21日午前7時21分、神戸市中央区磯辺通2

 神戸市中央区のマンションで20日夜、女性が男に刺され死亡した事件で、1階エントランスの防犯カメラに、1人で帰宅した女性の後を追うように男が建物へ侵入する様子が写っていたことが21日、兵庫県警への取材で分かった。エレベーター内で血痕が見つかっており、県警葺合署捜査本部は男が後をつけ、エレベーター内で女性を襲ったとみて調べている。

 マンションの各階につながる屋外の階段に血痕が残っていたことも判明。捜査本部は、男が血液の付着した凶器を持ったまま、階段で逃げた可能性もあるとみて、行方を追っている。

 事件は20日午後7時20分ごろ、同区磯辺通2の9階建てマンションで発生。住人から「エレベーター内で男が女性を羽交い締めにしている」と110番があった。駆け付けた葺合署員が、6階の共用部分に女性があおむけで倒れているのを見つけた。

 県警によると、女性は6階に住む保険会社社員の片山恵さん(24)で、搬送先の病院で死亡が確認された。上半身に複数の刺し傷があったほか、襲撃から身を守ろうとしてできたとみられる防御創が腕にあった。司法解剖の結果、死因は失血死だった。

 県警がマンション1階の防犯カメラを調べると、オートロック式の玄関から片山さんが入った直後、男が入る姿が写っていた。通報した住人は、エレベーター内の様子を映す1階のモニターで、刃物のようなものを持った男に襲われる様子を目撃。別の住人が倒れている片山さんを見つけた。

 防犯カメラに写っていた男は20~30代くらいで、黒い半袖シャツと黒い長ズボン姿。金髪交じりの黒髪で白い靴を履いていた。片山さんを発見した住人は、直前に3、4階付近の階段で男に似た人物とすれ違ったと話しているという。捜査関係者によると、6階のフロアから階段にかけて血痕が点々と残っていた。

 現場には片山さんの財布やスマートフォンが残されており、県警は男が金品以外の目的で狙った可能性もあるとみている。ストーカーなどのトラブルの相談歴は確認されていないという。

捜査本部一問一答はこちら