来年3月の退団を発表した宝塚歌劇団月組のトップスター鳳月杏(ほうづき・あん)さんが19日、大阪市内で会見を開いた。鳳月さんは「私にとって宝塚は酸素みたいなもので生活、人生そのもの」と語り「人間として成長させてもらった場なので、下級生たちもいろんな経験をする学びやであってほしい」と後輩にエールを送った。東京宝塚劇場での「天穹(てんきゅう)のアルテミス」「Belle Époque(ベル・エポック)」千秋楽で退団する。
千葉県船橋市出身。2006年に92期生として「NEVER SAY GOODBYE」で初舞台を踏み、月組に配属。14年に花組へ組替えし19年に再び月組に異動の後、24年に入団19年目でトップに就任。入団19年目でのトップ就任は現トップ制度となってからは最も遅咲きだったが、抜群の安定感と包容力あるたたずまいで、色香漂う独自の男役像をつくりあげた。
宝塚で過ごした時間を振り返り「あっという間で、気が付けば20年。ひたすら目の前のことに向き合い、常に課題と目標がある状況が楽しく、頑張ってこられた」と笑みを浮かべた。花組への組替えは大きな転機となり「自分に足りない部分を吸収させてもらった。自信を持ってパフォーマンスできるようになり、花組で過ごした5年間がなければいまの自分はないと思う」と語る。
トップとして舞台の中央に立つようになり「スポットライトが明るすぎて客席が全く見えない。あの不思議で幻想的な空間を体験できたのはうれしかった」。心に残る演目には映画をミュージカル化した「侍タイムスリッパー」を挙げ「宝塚の男役ということを全く意識せず、肩の力を抜いて舞台に立てた。新しい感覚だった」と振り返った。
退団の時期はトップ就任時から意識し「大劇場でのトップお披露目公演が終わったころ、大劇場4作での退団を決めた」という。相手娘役で、同時に退団する天紫珠李(あまし・じゅり)さんとはトップコンビ就任時から「卒業も同じタイミングで、という認識があった」語る。
月組の団員には宝塚大劇場公演「RYOFU」「クリスタルパレス」の千秋楽前日(16日)に伝え「(退団を)察してくれているかなと思っていたけど、驚いた顔をした子もいて、本当にいま目の前の瞬間を大事にしているんだなと伝わってきた」と目を細める。
退団後について問われると「何も決まっていないが、ご意見があれば募集中」と報道陣を笑わせ、「自分にしかできないことをやりたい。それを表現できる場があればいいな」と語った。
今後の出演予定は「RYOFU」「水晶宮殿(クリスタルパレス)」(東京宝塚劇場で6月6日~7月19日)▽「NINE」(東急シアターオーブで9月10~27日)▽「天穹のアルテミス」「Belle Époque(ベル・エポック)」(宝塚大劇場で12月12日~27年1月24日、東京宝塚劇場で2月13日~3月28日)
(小尾絵生)























