棋士編入試験の第3局で敗れ、不合格となった後、感想戦に臨む福間香奈女流五冠=3月27日、大阪府高槻市、関西将棋会館
棋士編入試験の第3局で敗れ、不合格となった後、感想戦に臨む福間香奈女流五冠=3月27日、大阪府高槻市、関西将棋会館

 将棋のプロ棋士になるための制度について日本将棋連盟は20日、棋士編入試験の受験資格を3回獲得した場合、フリークラスでプロ入り(四段昇段)できるようにする改正案などを発表した。福間香奈女流五冠(34)が既に2回得ており、承認されれば、女性初の棋士誕生の可能性が高まる。(小林伸哉)

 6月5日の通常総会で審議予定。棋士や女流棋士(タイトル獲得者か女流四段以上)ら正会員の出席者(委任状含む)の過半数が賛成すれば、可決される。

 棋士になるには奨励会三段リーグを突破するルートが一般的で、棋士になった女流棋士はいない。

 現行の棋士編入試験では、女流棋士やアマチュアが、棋士(現在は男性のみ)らが参加する公式戦で直近の成績「10勝以上かつ勝率6割5分以上」という厳しい基準を満たした場合に受験資格を獲得。その後、四段の若手棋士らが務める試験官と5番勝負を戦い、3勝すれば合格し、フリークラスで棋士になれる。

 同連盟の担当者によると、今回の改正案は「厳しい受験の基準を3回満たせば、棋士としての棋力や資質を認めるには十分」などの意見を踏まえたという。

 これまで男性では2014年に今泉健司アマ(52)=現五段、19~20年に折田翔吾アマ(36)=同、22~23年に小山怜央アマ(32)=現四段=が受験しプロとなった。このほか、16年に男性アマ2人が受験資格を得たが挑戦はしなかった。

 女性では、福間女流五冠が22年に0勝3敗で不合格となり、今年1~3月にも再挑戦したが0勝3敗で及ばなかった。西山朋佳女流三冠(30)は24~25年、2勝3敗と善戦したが、届かなかった。

 同連盟は昨年6月にも、女流棋士から棋士になる門戸を広げるため、女流タイトル戦最高峰の「白玲」を5期獲得した場合、フリークラスで棋士になれる制度を新設したばかり。これまで白玲は西山が4期、福間が1期を獲得している。

 また、今回は併せて奨励会三段リーグで次点を2回得た場合の取り扱いも見直し、従来のフリークラスでプロとなる権利から、C級2組から参戦できる権利にする改正案を提出する。

 近年、フリークラスでプロ入りした棋士では、古賀悠聖六段(25)が昇級してB級2組に在籍。柵木幹太四段(28)は昨年4月、昇級を決め、本年度からC級2組で戦う。現在もフリークラスに在籍するのは片山史龍四段(21)、山下数毅四段(17)、古井丈大四段(21)。

 同連盟によると、改正後の制度の詳細は、可決後に詰めてから発表するといい、過去の事例に遡及適用するかどうかはまだ明らかになっていない。

 二つの改正案の提案については18日、理事会で決定。19日以降、棋士らに周知している。