物流倉庫の中を縦横に行き来して、製品を所定の位置に届ける自動搬送ロボット。そんな映像をニュースなどでよく見かけるようになった。停止位置の誤差は3センチほどだという。産業用機械メーカーの甲南設計工業(三木市)は、その誤差を0・1ミリに抑えた搬送ロボットを開発した。中国のロボットメーカーとの協業で完成にこぎつけ、精度を従来の30倍に向上させた。部品や資材を正確に運ぶことが求められる製造現場での活用を想定し、人手不足に悩む工場の無人化を目指している。(石川 翠)
甲南設計工業は1968年創業で、プラスチック製品を加工する設備を製造している。近年は切りくずが出ない高精密なプラスチックシートの切断機を開発し、近畿経済産業局の「関西ものづくり新撰2019」などに選ばれている。資本金5千万円。従業員21人。
プラスチックシートの製造工程は、液状のプラスチックを薄い板状に成形し、ロール状に巻き取って包装紙で梱包する。シートは出荷先で二次加工され、自動車の部品や家電の内装品、食品トレーなどに成形される。あらゆる製品に欠かせない材料だが、シート加工の現場は自動化が進んでおらず、重労働で危険も伴っていた。