神戸市の中心的な繁華街「三宮」と「元町」の境界を力勝負で決める「三宮VS元町 神戸大綱引き大会」が4日、同市中央区の三宮中央通りで開かれる。2大ブランド街の境界は明確に定義されておらず、市民の間でたびたび話題になってきた。住民らが三宮と元町の2チームに分かれ、神戸阪急、大丸神戸店という二つの百貨店長が双方のキャプテンに就いて対決し、勝者がより広いエリアを獲得する。(中村有沙)
三宮が勝てばトアロードより東が三宮に、元町が勝てば京町筋から西が元町となる。後日、三宮中央通り沿いに「境界」の目印となるタペストリーを設置する。行政区分は変わらないし、市民生活に何の影響もない。
ユニークな企画が持ち上がったきっかけは、三宮、元町周辺にある商店街の組合役員や百貨店の店長らが集う「コネクト神戸」の飲み会だった。ふと、二つのまちの境界線はどこなのかという話題になったが、やはり答えが出ない。
「ならいっそ、綱引きで決めたら面白いのでは」。ノリで開催が決まり、実行委員会を組織。地域住民や神戸にゆかりのある人を対象に、両チーム合わせて約250人の参加者を集めた。
団結力を高めようと、神戸のイメージを色彩で表現するために開発されたオリジナル万年筆用インク「Kobe INK(神戸インク)物語」を基に、選手が着ける軍手の色を統一。三宮はフラワーロード周辺の花壇に咲く三色スミレを表す「三宮パンセ」を、元町はポートタワーをイメージした「元町ルージュ」をチームカラーとする。
三宮は神戸阪急、元町は大丸神戸店の店長がそれぞれキャプテンを務め、神戸を代表する百貨店が雌雄を決するバトルの様相も呈している。
当日使う綱は約50メートルで、引き手を入れ替えて5回対戦する。今年の「全日本綱引選手権大会」で優勝した「神戸消防」のメンバーが審判を担当する。
実行委代表で「ヤノ運動用品」社長の矢野克幸さん(47)は「港町である神戸にぴったりの対決」と胸を張る。綱引きのかけ声「オーエス」が、フランス語の「帆を揚げよ」が語源だから、という理由らしい。
三宮と元町の関係団体が一体となったイベントは、矢野さんの知る限りでは初めてという。「どちらの商店街も高齢化や担い手不足が進んでいるが、こういった催しを通じてまちづくりに興味を持つ人を増やしていきたい」と意気込む。
大会は午前11時45分から。雨天決行、荒天中止。
■そもそも住所表記では…