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熊本地震の際、益城町の避難所で消毒指導を行う兵庫県薬剤師会のメンバーら(兵庫県薬剤師会提供)
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熊本地震の際、益城町の避難所で消毒指導を行う兵庫県薬剤師会のメンバーら(兵庫県薬剤師会提供)
新しく作られた環境衛生対策マニュアルをPRする田中千尋さん(右)と福田忠浩さん=神戸市中央区下山手通6、兵庫県薬剤師会
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新しく作られた環境衛生対策マニュアルをPRする田中千尋さん(右)と福田忠浩さん=神戸市中央区下山手通6、兵庫県薬剤師会
神戸新聞NEXT
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 兵庫県薬剤師会はこのほど、災害時に避難所で取り組む環境衛生対策をまとめた薬剤師向けマニュアルを作成した。25年前の阪神・淡路大震災では本拠地が被災し、以降全国で起きた災害の支援も続ける同会。マニュアルは熊本地震などの被災地支援で得た経験を基にまとめており、避難所となる学校などに普段から配置されている「学校薬剤師」が、避難所で効率的に動くために活用していく。(篠原拓真)

 マニュアルはA4判35ページ。感染症予防や発生した場合の対応例に加え、避難所で発生するダニなどの害虫対策▽トイレの確保や衛生管理のチェックリスト▽水害時の消毒方法の手引き▽消毒液の作り方-などが掲載されている。同会によると、こうしたマニュアルの策定は近畿で初といい、冊子は学校薬剤師に加え教育委員会にも配布した。

 作成のきっかけは、2016年に起きた熊本地震。兵庫県医師会が派遣した災害医療チーム「JMAT兵庫」の一員として、熊本県益城町(ましきまち)に行った兵庫県薬剤師会災害公衆衛生部の田中千尋部長(44)は、「避難生活が長期化するほど、避難所の衛生環境は悪化していった」と振り返る。

 仮設トイレは水の勢いが弱く、詰まりがち。ごみも収集できないため、どこかに集めておかなければならない。避難所では多くの人が過ごしており、衛生環境の悪化や感染症の流行を防ぐためには、空調や室温の管理など、避難所内の環境を保つことも重要となる。

 しかし熊本の各避難所では、判断や問題対応の基準がバラバラだった。田中部長から現地の様子を聞いた同会学校薬剤師部の福田忠浩部長(61)は、学校薬剤師がまとめ役を担うべきだと感じたという。

 避難所となる学校には普段から学校薬剤師が置かれ、さまざまな検査を実施している。福田部長は「避難所の環境衛生を守ることは、薬剤師の役割。そのためにもマニュアルが必要だった」と話す。実際に災害支援に赴いた田中部長らの意見を参考に、18年からマニュアル作りを進めてきた。

 阪神・淡路では、県薬剤師会館(神戸市中央区)なども被災。当時は個々の薬剤師が支援活動に取り組んだが、組織で動く必要性が浮き彫りになっていた。マニュアルの完成を受け、同会では災害時の対応を学んでもらうため、冊子を使った研修を実施。今後も年数回のペースで研修を開く予定という。

 福田部長は「学校と各市町の薬剤師会が連携して災害に備え、いざというときにはマニュアルを活用していきたい」と力を込める。

【学校薬剤師】学校保健安全法によって、大学を除くすべての学校に配置するよう義務付けられている。薬品類の使用や保管の管理をするだけでなく、換気や保温、採光、騒音、飲料水やプールの水質、給食の細菌など、子どもたちが過ごす校内のさまざまな検査を担う。ほかにも健康相談や保健指導、薬物乱用防止教育にも携わる。

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